英高級紙がパラリンピックと学校連携観戦の危険性に警鐘

パラリンピックは無事に開催できるか(代表撮影)

英高級紙「ガーディアン」が、新型コロナウイルス感染が深刻化する中での東京パラリンピック開催強行と学校連携観戦の危険性に強く警鐘を鳴らした。

東京では新規感染者が連日5000人台を記録し、感染者数が最多を更新する自治体が続出するなど危機的状況に陥っている。そうした中で同紙は「恐ろしい東京でパラリンピックが近づくにつれ、五輪での気分がよくなる要素が消え失せる」とパラリンピックの開催強行の危険を特集した。

「首都の救命救急ベッドの80%以上が占有されており、深刻なケースが記録的な高さにある。これを受けて政府はパラリンピックが終わるまで非常事態宣言を拡大したが、軽症とされる患者は自宅で回復するように言われ、重篤な状態の患者のみが入院すべきだとの方針だ」と東京の深刻な状況を説明。「五輪期間中に、楽観的な見方に頼ってきた日本の指導者や主催者は、今やはるかに憂慮すべき背景の下でパラリンピックが行われることを受け入れているようだ。日本のパンデミックは危機的なレベルに達した」と事態を直視していない政府や大会主催者を強く批判した。

また、同紙は観客についても指摘。今大会は一般客に関しては無観客開催となるが、学校連携観戦プログラムにより数万人規模が観戦する見込み。「子供たちが前例のない速度でウイルスを自宅に広めているという証拠にもかかわらず、政府の教育プログラムの一環として学校の生徒に例外が設けられている」と同紙。感染力の強いデルタ株が猛威を振るう中で現在は子供たちの間での感染急拡大が大きな問題になっているが、学校連携による観戦は感染を助長する可能性があると厳しく糾弾した。

最後に「10月に開催される日本グランプリ(GP)が2年連続で中止となったのと同じ週に、国際パラリンピック委員会(IPC)のパーソンズ会長は開催中止を除外し、東京パラリンピックは彼らの歴史の中で最も重要であると述べた」。波紋を呼んでいるF1日本GPの中止を引き合いに出して、皮肉を込めてパラリンピックの開催強行を非難した。

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