【夏の甲子園】県大会から1人で投げ抜いた高川学園エース・河野「悔いはない」

高川学園のエース・河野颯

第103回全国高校野球選手権大会(甲子園)第9日の22日、第2試合は神戸国際大付(兵庫)が高川学園(山口)に4―3の逆転勝ちで3回戦進出を決めた。

敗れはしたが、高川学園のエース・河野颯投手(3年)に涙はなかった。「相手もすごくレベルが高かった。こういう舞台で思いきって投げられたので、悔いはないです」。

初回に2ランを被弾して先制を許した。それでも、5回の先頭で自ら二塁打を放って出塁。反撃の口火を切ると、そこから打線がつながり一時逆転に成功した。7回に2点を奪われて聖地2勝目を逃したが、実力校を相手に一進一退の熱戦を演じた。

県大会5試合すべてを1人投げ抜いてきたエース。5月から1か月間、1日150~200球の投げ込みと走り込みでスタミナ強化に努めた。体のケアとマネジメントを徹底して、チームを勝利に導いてきた「1人エース」。松本監督は「技術面、精神面の両方を合わせてのエース。最後まで信頼して投げさせました」とねぎらい、左腕をたたえた。

チームに歴史的甲子園初勝利をもたらした初戦の145球、あと一歩で屈したこの日の131球。「これを糧にして、次のステージでも頑張りたい」。高川学園の大黒柱は、爽やかに聖地を後にした。

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