藤井二冠、史上最年少の三冠達成はお預け「完敗だった」 豊島叡王が意地の逆王手

藤井聡太二冠(王位、棋聖)が豊島将之叡王(竜王との二冠)に挑戦する、将棋の叡王戦五番勝負第4局が22日、名古屋市の「名古屋東急ホテル」で指され、豊島叡王が91手で勝利。対戦成績を2勝2敗として、逆王手を掛けた。藤井二冠の、史上最年少となる19歳1カ月での三冠達成はお預けとなった。

今局は豊島叡王の先手で、戦型は19日に行われた王位戦第4局と同じ相掛かりに。昼食休憩段階では、早くも豊島叡王が優勢となった。藤井二冠も粘り強い指し回しで決め手を与えない粘りを見せたが、最後まで逆転を許さず押し切った。

勝利した豊島叡王は終局後「序盤は考えていた形の一つでした。中盤は難しかったと思うんですけど、駒得する展開になったので、少し指せそうな気もしていた」と回顧。2勝2敗と逆王手を掛けたことには「何とか追いついたという感じですけど、次、最終局なので、悔いがないように指せたらと思います」と落ち着いた口調で語った。

敗れた藤井二冠は「ちょっと早い段階でミスが出てしまって、勝負所を作れなかったのは残念です」と無念の表情。「本局は完敗だったので、最終局、精いっぱい戦って、勝負所を作れるように指せたらと思います」と前を向いた。

将棋のタイトル三冠保持達成は、過去に9人。これまでの最年少は羽生善治九段が1993年の竜王戦で達成した22歳3カ月で、藤井二冠は今局を制していれば、従来の記録を3年以上更新し、史上初の10代での三冠達成となっていた。

藤井二冠は、タイトル戦で2敗を喫するのは初めて。相手に王手を掛けられる〝カド番〟となるのも初めてとなった。決着局となる第5局は、9月13日に東京・将棋会館で行われる。

(よろず~ニュース編集部)

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