ソフトバンク・松田が代打V打 無観客試合の連敗も止め「1、2、3、マッチ!」

ソフトバンク・松田

ベテラン千両役者がチームを救った。ソフトバンクの松田宣浩内野手(38)が会心の決勝打を放ち、試合を決めた。

同点の8回。二死一、二塁のチャンスで代打で起用された。「とにかく自分の打球を飛ばそうと思って打席に入った」。ロッテ・ハーマンの初球を捉えた。打球は左翼手の頭を越える2点適時二塁打。ベンチも総立ち状態で大盛り上がりとなった。

長年、鷹のホットコーナーを一人で守り続けてきた。それが昨季の9月に連続試合出場が815でストップ。今季はベンチスタートの試合も増えてきた。悔しさを胸には抱きつつも、出場する日もしない日も試合前のルーティンを変えず準備を続け、チームのために変わらず声を出している。

「ユニホームを着ている以上、ずっと試合に出続けたいのが野球選手だと思うんですけど。前半戦ではない。後半戦なので。チームの勝ちが一番上に来る。その中で与えられたところで自分の打球というのを飛ばしていったらいいかなと思う」。

チームは4位。負けていれば3位・ロッテに同一カード3連敗で、勝率5割に逆戻りとなる一戦でもあった。何度も優勝争いをしてきた経験からも、この試合の重要性は分かっていた。「3連敗だけはできないとみんなで臨んでいた。まだ諦めている人は誰もいない。上を目指してやっていきたい」と力を込めた。

現在、ソフトバンクは福岡県の緊急事態宣言を受けて、独自の無観客開催で試合を行っている。無観客試合は前回6月から引き分けを含めて9戦勝ちなしの状態だったが、熱男がその呪縛も解き放った。

お立ち台では「めちゃくちゃ寂しいですが」と口にしつつも、テレビなどで観戦している鷹党に向けて「1、2、3、マッチ!」と叫んで締めくくった。

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