災害時の避難所で障害者を迅速に見分けて手助けができるように、秦野市は、不織布製のヘルプマーク付き防災ベストを市内の避難所に導入した。必要な支援を書き込むスペースもあり、「見える化」することで理解やサポートを受けやすくする狙いがある。
防災ベストは、両面の中央部にヘルプマークが印字され、「耳が聞こえません」「ゆっくり話してください」など障害者が知ってほしい状況を書き込むスペースがある。市障害福祉課によると、価格もプラスチック製より安価で、汚れた場合は使い捨てもでき、衛生面にも利点がある。
障害者手帳や福祉手帳、療育手帳を所持している人がベストを着用できる。市内23避難所に20枚ずつ配置したほか、災害時に避難所へ安心して移動できるよう同課窓口や地域生活支援センター「ぱれっとはだの」(同市本町)、市社会福祉協議会(同市緑町)で事前配布もしている。
同課は「災害弱者の障害者に、避難所でも安心して支援を受けられることを知ってほしい。いざというときはためらわずに避難してほしい」と話している。