レッドブルF1のニューウェイ、大きな成長遂げたフェルスタッペンを称賛「ミスをせず、冷静さを失わない」

 レッドブル・レーシングのチーフテクニカルオフィサー、エイドリアン・ニューウェイは、これまで自身が出会ったなかで最高のレーサーのひとりにマックス・フェルスタッペンを挙げた。

 マックス・フェルスタッペンは2015年のF1開幕戦オーストラリアGPに17歳と166日でデビューし、F1最年少ドライバーの記録を打ち立てた。新しい時代の扉を開いたフェルスタッペンは、その1年あまり後に、18歳と228日で最も若いF1優勝者という画期的な称号をも手に入れている。

 その日以降、彼はさらに14勝を自らの記録に加えてきた。そして多くの人々は、現在23歳のフェルスタッペンが、唯一の対抗馬であるメルセデスのルイス・ハミルトンを抑えて2021年のタイトルを獲得することを期待している。

2021年F1第7戦フランスGP ポールのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)と予選2番手のルイス・ハミルトン(メルセデス)

 F1で最も高名なカーデザイナーのひとりであり、そのキャリアを通じて多くの優れたドライバーたちと仕事をしてきたニューウェイは、フェルスタッペンを他の偉大なるF1ドライバーたちと並び称される存在に押し上げた資質について語った。

「彼は、世界チャンピオンに求められる気概をもっている。腰を据えて取り組み、困難に直面しても進み続けようとする気持ちだ」と、ニューウェイはレッドブルのポッドキャスト『Talking Bull』で語った。

「物事がうまく運ばない週末があったら、そのことを忘れて次戦に頭を切り替える」

「当然、彼のドライビング能力も素晴らしい。我々が呼ぶところのニュートラルカー、つまりリヤエンドが少し動いてしまうようなマシンでも操ってしまう彼の力は並外れたものだ」

「彼は偉大なレーサーに成長した。今年はほとんどミスも犯していない。第11戦ハンガリーGPは事実上、リタイアしたような状態だった。それを含めると、彼が(今年)ここまでで完走できなかったレースが3度あるが、どれひとつとっても彼自身のミスが原因ではない」

「それでも彼は冷静さを失わず、どのレースでも気持ちを立て直した。そして、彼が本来持っている速さは疑うべくもない」

2021年F1第6戦アゼルバイジャンGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がタイヤトラブルでクラッシュ

 ニューウェイはさらに、フェルスタッペンの人となりについても語った。

「彼は、とても気さくに話せる相手でもある」とニューウェイ。「幅広いことに興味を持っている。それはF1ドライバーにとって非常に重要な資質だと、私は思う」

「もしもF1にしか気持ちが向いていなければ、それが自分にとっての重大事項になるあまり、プレッシャーを感じてしまう。その点で、マックスは非常に良いバランスを保っているのだ」

 F1のエンジニアにとって、ドライバーからの技術的なフィードバックは非常に重要であり、チームとしてマシンのポテンシャルを最大限にまで引き出すうえで不可欠な情報といえる。

 ニューウェイによれば、フェルスタッペンはささいな、あるいは聞くほうが疲れてしまうような細かい話はせず、単刀直入にスタッフ全員が注目すべき主要課題に入るのだという。

「彼のフィードバックは見事だ」とニューウェイは語った。「これまで多くのドライバーからフィードバックを受けてきたが、それぞれに特徴がある」

「ある者は延々と話し続ける。ターン1に入る時点から始めて、ターン20を出るときのことまでを話すのだ」

「もし私だったら、最後まで聞かないうちに眠ってしまうだろうし集中力を失うだろう。その点、マックスの話は非常にバランスがとれている。マシンをより速く走らせるために、彼が必要だと感じた主要な論点に集中するからだ」

2021年F1第9戦オーストリアGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

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