世界EV市場、欧州・中国勢が強く 韓国勢はランクダウン

現代自動車と同傘下の起亜自動車が中国系、電気自動車メーカーの攻勢に押され、今年上半期の世界の電気自動車市場においてシェアが小幅下落したことが分かった。

23日、エネルギー専門市場調査機関SNEリサーチによると、今年上半期の全世界80カ国で販売された電気自動車ブランドのうち、テスラとBMWがそれぞれ純粋電気自動車(EV)部門と、プラグインハイブリッド車(PHEV)部門で1位を占めた。

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現代車は、EV部門で6位に、起亜はPHEV部門9位をそれぞれ占めたが、昨年よりも順位が下落した。

EV部門でテスラはモデル3とモデルYの販売急増に支えられ、全体の販売量が39万6千台と、前年同期比118.2%増加し1位を守った。市場シェアは昨年27.7%から今年22.2%に減少した。

中国の上海自動車(SAIC)と商用車メーカーである五菱汽车、米国ゼネラルモーターズ(GM)が合弁設立した「SAIC-GM-五菱自動車」(SGMW・2位)とBYD(3位)、長城汽車(5位)、ニーオ(9位)など中国系企業らが自国市場の回復に支えられ、全体の市場成長を主導した。

特にSGMWは、超低価格の電気自動車「宏光ミニEV」を前面に出し、15倍に迫る販売成長率を記録し、EV部門2位に上がった。

フォルクスワーゲン(4位)もID.3とID.4の需要急増により販売増加率が214.2%となり順位が2ランク上昇した。

一方、現代車はコナEVとアイオニック5、ポーター2EVトラックの販売がいずれも増加したが、成長率(75.6%)が市場平均(172.4%)を下回り、昨年5位から今年6位へとランクダウンした。シェアは昨年4.5%から今年2.9%に減少した。

PHEV部門では、ヨーロッパ勢に加え中国系の躍進が目立った。

BMWは販売2倍近く増え、1位を維持した。ただしシェアは17.0%から12.9%に減少した。

メルセデス(2位)とアウディ(6位)、フォルクスワーゲン(7位)は、それぞれ3倍以上の急増を見せシェアを伸ばした。

米国系フォードもクーガーPHEVの販売好調による急成長縦10位圏に進入し、日本のトヨタ(5位)もRAV4プライムPHV需要急増で順位が上昇した。

中国系はBYDと理想がそれぞれ4位と8位を占めてシェアを引き上げた。

一方、起亜はシードPHEVとニーロPHEV、ソレントPHEVが販売好調も成長率(128.4%)が市場平均(161.0%)を下回り順位が昨年6位から今年9位に下がった。

SNEリサーチの関係者は「現代車と起亜は、昨年初めに新モデル販売が増加し、グローバル電気自動車市場でのプレゼンスを固めてきたが、今年に入って中国系メーカーの攻勢が激しくなり、やや伸び悩む状況」とし、「EVとPHEVのブランド地位を高めるためにどのように活路を開拓するか成り行きが注目される」と述べた。

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