国内外でＧⅠ勝ちがあり、今秋は米国遠征を公表していたラヴズオンリーユー（牝５・矢作）。２２日のＧⅡ札幌記念（芝２０００メートル）ではソダシを抑え込み単勝１倍台の１番人気に推されたが、直線わずかに届かず２着。しかし、この敗戦の裏には小さなロスの積み重ねが…。年長クイーンのレース後を徹底追跡した。
単勝オッズ３・８倍の２番人気ソダシに対し、１・９倍の１番人気に支持されたラヴズオンリーユー。しかし、結果は２着に終わった。ゴール直前で粘るペルシアンナイトは何とかかわしたが、ソダシからは３／４馬身差。馬体を併せるところまではいかなかった。
レースは立ち上がり気味のスタートだったが、大きなロスもなく中団の外めを手応え十分に進み、ソダシとは３～４馬身の差。直線で川田のゴーサインに反応を見せたが、ソダシを脅かすところまではいかなかった。レースを終えた川田は「とても具合がよくレースを迎えられました。レース中に起きたことを僕がうまくいなせず、それが最後に響いているのは間違いないです」。続けて、「馬と応援してくれた人に申し訳ない。それでも馬自身、最後まで精一杯頑張ってくれました」とコメントした。
矢作調教師は「展開的にちょっとね」と悔しさをにじませ、「勝った馬が強かったのが一番だけど、ウチのもレースのアヤというか…。４角で５頭分ぐらい外を回る形になってしまったからね。ジョッキーは、バランスのいい走りだと言っていましたし、今後は予定通り米国へ向け準備をしていきたい」と前を向いた。
確かにレースを見直すと、３角過ぎにブラストワンピースが上がっていったタイミングで、内にいたサトノセシルのルメールがやや強引に外に出してきた。そのため、外々を回る形になったのが響いた。
今回ソダシとは３キロの斤量差もあり、さらに、この日の札幌競馬場は人が立っていられないくらいの強風が吹いたのも厳しかった。向正面は向かい風で直線は追い風。その影響もあったか、芝のレースは内を通った先行馬が残るケースがほとんど。そんな中で外から伸びて（上がり最速３５秒１）小差２着と力は示した形だ。
勝ったソダシ、これに迫ったラヴズオンリーユーとも休み明けで、ともに今後を見据えたなかでの競馬。いつかより大きな舞台で２頭の対決を見てみたい。
