【夏の甲子園】大阪桐蔭4点差守れず 敗軍の将・西谷監督が語った分岐点

近江に敗れて引き上げる西谷浩一監督(左)ら大阪桐蔭ナイン

第103回全国高校野球選手権大会(甲子園)第10日は23日、2回戦最後の1試合が行われ、夏6度目の制覇を狙った大阪桐蔭(大阪)が近江(滋賀)に4―6で敗れた。打線が初回にいきなり3点を奪い、2回にも1点を追加。序盤に4点差をつける理想的な展開だった。だが、3回以降、立ち直った近江先発・山田(2年)から中押し点を奪えずにいると、流れは相手に。3回から小刻みに1点ずつ返され、同点で迎えた8回に2点を勝ち越されて逆転負けを喫した。

試合後、西谷浩一監督(51)は勝負を分けたポイントを冷静に振り返り、敗戦を受け止めた。「前半に思いもよらぬという言い方はおかしいが、4点も取れた。そのまま行くとは思っていなかったが、そこから丁寧に攻撃ができなかった」。3回以降に放った安打は散発の2本。「雑になったわけではないが、それだけ山田君のピッチングが勝ってしまった。なんとかそこで足を絡めたりしたいと思ったが、それができなかった。逆に近江さんは1点ずつ追い上げてこられて、非常にしんどい試合の形にしてしまった」。好投手・山田の修正を阻むような攻撃を仕掛けきれなかったことを悔いた。

「うちが先攻だったので、ジワリジワリと重圧をかけられた。粘り強い野球をやりたかったが、逆に近江高校にされてしまった。こちらができなかったことが敗因」。相手の継投策の前に、伝統的な終盤の粘りも発揮できなかった。

最後に「勝ちに導くのが監督だと思うので、それができず残念、無念という気持ちです」と胸の内を語った西谷監督。高校球界をけん引する最強軍団再興へ、再スタートを切る。

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