女子高校野球が甲子園で実現 優勝の神戸弘陵・石原監督「この長雨で実現するのかという不安もありました」

甲子園球場

「球女」たちが歴史の扉を開いた。第25回全国高校女子硬式野球選手権大会決勝が23日、史上初めて甲子園で開催され、神戸弘陵(兵庫)が4―0で高知中央(高知)を下して5年ぶり2度目の優勝を果たした。

試合は2回に動いた。「先制点がなんとしても欲しかった」。かつて、神戸弘陵の男子硬式野球部を率いて2度の選抜出場経験のある石原康司監督(61)が執念の采配を見せた。先制点、2点目ともにスクイズ。「まずは手堅く。あそこを決めてくれてよかった」。その後、適時打が飛び出し一気に4得点。序盤のリードに守られ、日高(2年)―島野(3年)が完封リレーで締めて頂点に立った。

試合後、聖地のナイター照明に照らされ勝利監督インタビューに応じた石原監督は「感無量です。決勝を甲子園でやらせてもらえるなんて夢のまた夢。本当にこの長雨で実現するのかという不安もありました。いろいろな方の尽力で甲子園でやることができました。女子野球の扉も開いたんじゃないかと思っております」と優勝の喜びとともに、女子野球の甲子園開催という意義をかみ締めた。

7イニング制、指名打者制、ベンチ入りメンバー25人など男子とは異なる魅力もある。歴史的一歩を踏んだ「球女」たち。甲子園につながる戦いの誕生が、きっと女子野球の普及、振興につながるはずだ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社