【東京パラリンピック】選手を支える〝匠の技〟 スポーツ専用床材「タラフレックス」の高性能ぶり 

タラフレックス断面図。断面の名称は①プレテクソール-②グラスファイバークロス層-③ダブルスポンジ層-④サノソール抗菌処理(クリヤマ提供)

新型コロナウイルス禍で史上初の1年延期となった東京パラリンピックは24日に開幕。選手たちの活躍に期待が集まる一方で、会場に施された〝匠の技術〟も注目されている。

今大会実施される22競技のうち、ボッチャ(有明体操競技場)、シッティングバレー(幕張メッセAホール)、ゴールボール(幕張メッセCホール)の3会場では、仏企業「Gerflor社」が開発したスポーツ専用の床材「タラフレックス」が使用される。

当床材は、表層を純度の高い塩化ビニール層と特殊コーティングで処理をすることで、耐久性をキープ。さらに、下部のスポンジ層が衝撃吸収力を発揮することで、安全性が高まるという。

当床材を日本で代理販売するクリヤマ(大阪市)の担当者は「一般的な体育館は木の床が多いが、タラフレックスを敷くことで木板のササクレによる怪我を心配せず、シッティングバレーやゴールボールで思い切ったプレーが出来る。また、木板のように反りや隙間の心配も無いので、ボッチャで求めるボールの転がりが安定する」と明かした。

また、コロナ禍のご時世に合った性能もある。同担当者は「表面のコーティングに抗菌・抗ウイルス作用がある。従来から抗菌処理は重視して作られていた」。国際標準化機構(ISO)の規格に準拠しているだけでなく、希釈した次亜塩素酸ナトリウムやアルコールを使用した消毒も可能。手を付くことの多いゴールボールやシッティングバレーでも万全な感染症対策を敢行できる。

異例尽くしとなった今大会だが、各企業の努力が選手のベストプレーを支えている。

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