台風12号は、24日（火）朝には、日本海西部で温帯低気圧に変わる見込みだが、油断できない。西～東日本の日本海側を中心に大気の状態が非常に不安定になり、雷を伴った非常に激しい雨が降る所がある見込み。土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に注意・警戒。雨の範囲は夜には東北に広がる見込み。

台風から変わった低気圧や前線の影響で西～東日本中心に非常に激しい雨のおそれ

　台風12号は、朝鮮半島付近にあって、北北東に進んでいる。長崎県対馬市では、24日未明に激しい雨を観測。24日朝には日本海西部へ進み、前線と一体化して温帯低気圧に変わり、25日（水）にかけて北東へ進む見込み。

　台風から変わった低気圧や前線に加えて、高気圧の縁を回る暖かく湿った空気が流れ込むため、西～東日本の日本海側を中心に大気の状態が不安定になり、雷を伴った非常に激しい雨が降るおそれがある。土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に注意・警戒。落雷や竜巻などの激しい突風にも注意が必要だ。夜には東北でも広く雨が降る見込み。

西～北日本は強風や高波に注意　西日本は高潮に警戒

　台風から変わる低気圧と日本の南の高気圧との間で気圧の傾きが大きくなるため、24日は、西～北日本は風が強く、波が高くなる所がある見込み。九州北部はしける所も。25日まで大潮の期間のため、西～東日本は高潮にも注意・警戒。

25日（水）東北は大雨のおそれ　26日（木）以降は西～東日本は猛暑日の所も

　25日（水）は、日本海～北日本に前線がのびて暖かく湿った空気が北日本にまで流れ込むため、西～東日本の日本海側や東北は雨が降り、特に前線に近い東北は大雨になるおそれがある。また、26日（木）以降は、太平洋高気圧が強まるため、西～東日本では35℃以上の猛暑日の所が多くなる見込み。大雨の後は厳しい残暑に警戒が必要だ。特に大雨の被災地では、復旧作業中の熱中症に警戒してほしい。感染症対策も大事だが、暑い環境では、人との距離をとって、マスクを適宜外し、休憩や水分補給を心がけたい。

（気象予報士・大隅智子）