エンゼルス・大谷翔平 サイ・ヤング賞の有力候補に!複数の米メディアが報道

後半戦絶好調の大谷(ロイター=USA TODAY Sports)

エンゼルスの大谷翔平投手(27)は歴史的なシーズンを送っている。23日(日本時間24日)時点で投手として8勝を挙げ、メジャーで唯一、40本塁打を放ち、1918年のベーブ・ルース以来の「2桁勝利&2桁本塁打」にあと2勝と迫った。本塁打王争いでは2位のブルージェイズ・ゲレロに4本差をつけて独走、ア・リーグMVPの最有力候補だ。これだけでも十分すごいが、複数の米メディアが投手にとって最高の勲章であるサイ・ヤング賞の候補に挙げている。果たして投打で最高の栄冠を獲得することはできるのか――。

サイ・ヤング賞が公で話題になったのは大谷が8勝目を挙げ、40本塁打を放った18日(同19日)のタイガース戦後だった。可能性を問われたマドン監督が「絶対的な候補だ。彼は全ての賞の候補」と明言してからだ。米CBSスポーツ、MLBネットワークも20日(同21日)に候補と報じた。

米スポーツサイトのスポーティング・ニュースは23日(同24日)に「ア・リーグMVP最有力候補の大谷はサイ・ヤング賞も獲得できるか」の見出しで検証した。過去にア・リーグで投票経験があり、今季もナ・リーグの投票権を持つライアン・ファーガン記者が具体的な数字とともに分析した。

「多くの人が想像するよりクレージーな話でもない。最有力候補ではないが、叫べば届くくらいのところに入る」

サイ・ヤング賞は勝利数、防御率、奪三振数など投票者によって重視する基準が異なる。同サイトは米データサイトのベースボール・リファレンスが独自に算出している総合指標WAR(セイバーメトリクスによる打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して選手の貢献度を表す指標)の上位5人と大谷を比較した(表参照)ところ、遜色はない。被安打率(9回で許す安打数)は大谷が一番低い。

その他、ア・リーグで100イニング以上投げた投手の中で防御率、奪三振率、FIP、bWAR、三振率(29・6%)、被打率(1割8分7厘)、WHIP(1イニングで許す走者数=1・06)、被本塁打率(0・72)がトップ6入りしている。

堂々の数字を残しているが懸念材料は投球回。ファーガン記者は「多く投げている投手が受賞の可能性が増えるかというわけでは全くないが、イニング数は、重要」と指摘。CBSスポーツも、MLBネットワークも見解は同じだ。

可能性はあるか。大谷は現在7連勝中で、後半戦4勝、防御率1・36。ファーガン記者は「最近の大谷は本気ですごい。でも、今の状態では、可能性はあるが、受賞は難しいだろう。でも、シーズン残りの試合で防御率を1点台に抑える、ノーヒッターをやる、あるいは14奪三振をマークする試合があったら可能性は大きくなる」と締めくくった。

大谷はメジャー1年目の4月8日のアスレチックス戦で7回一死まで完全投球。結局、7回1安打無失点で12三振で勝利投手になっている。

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