路線バス減便、循環路線を新設へ 佐世保市が素案提示

次期計画の素案について意見を交わした地域公共交通活性化協議会=佐世保市役所

 長崎県佐世保市地域公共交通活性化協議会(会長・朝長則男市長)は19日、市役所で開き、市が持続可能なバス事業の実現に向けた次期計画の素案を提示した。全体的に便数を減らすが、循環運行路線を新設するなどして利用者の利便性を確保するとしている。
 市内の路線バスは、2019年3月から西肥バスが主体となって運行。一部路線を市交通局子会社のさせぼバスが受託運行している。近年、バス利用者は減少傾向で、20年度は19年度の78.1%。新型コロナウイルス禍の外出自粛などの影響が出ている。運転手の数も22年3月までの3年間で32人減少し、270人になる見込み。需給バランスを踏まえた運行便数の設定が必要になっている。
 計画は22年3月から25年3月まで。素案では、運行便数を現在の1668便から11.3%減の1479便に設定。1便当たりの乗車人数が0.6人の相浦桟橋発着便は、大野経由を廃止する。現在の93便から19便とする一方、佐世保駅発着の相浦循環線を新設。ダイヤはフェリーの発着に合わせる。
 協議会は、利用者や交通事業者らで構成。委員からは市民の立場に立ったダイヤ編成を求める声などが上がった。市は今後、協議会や市議会の意見を聞き、本年度中に計画を策定する。

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