サムスン、IBMの金融詐欺検出チップを7nm生産 「開発段階からパートナー社として参加」

IBMが金融詐欺をリアルタイムで検出することができる人工知能(AI)半導体を2022年上半期発売すると発表した。このチップは開発段階からサムスン電子がパートナー社として参加した。生産もサムスン電子のファウンドリ(受託生産工場)で生産されると明らかにされた。

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IBMは24日、開かれたホットチップス(Hot Chips)学会で金融詐欺をリアルタイムで対応できるように設計された「IMBテルロム(Telum)プロセッサ」を公開した。

テルロムは、銀行取引、株式売買、保険システムなど、金融機関のサービスを対象に作られたAI半導体だ。このチップは、プラットフォームに内蔵することができるオンチップ(On Chip)形態で、金融取引データを特別なインフラストラクチャなしに処理することができる。

IBM

これまで金融詐欺分析は、企業の重要なデータと分離されたプラットフォームで実行されている場合が多かった。このため、詐欺検出がリアルタイムで行われるのが難しかった。クレジットカード犯罪を例にとると、犯罪者が奪取したクレジットカードで商品を購入したとき、企業はこれをリアルタイムで把握するのは難しかった。

IBMは、企業が持つ重要なデータプラットフォーム内で金融詐欺を検出することができるテルロムを開発したことで、この問題を解決することができると明らかにした。内蔵された加速度の技術を使用して大規模な推論をリアルタイムで実行することができ、金融詐欺検出とローン処理、取引の承認と決済、資金洗浄防止、リスク分析などを効果的に実行することができると説明した。

IBMは、テルロムプロセッサをサムスン電子のファウンドリ7ナノ(nm)工程で生産すると発表した。 サムスン電子が開発段階からパートナーとして参加したとも発表した。

Googleが独自に設計したアプリケーションプロセッサ(AP)「グーグルテンソル」の設計にもサムスン電子がパートナーとして参加した。グーグルテンソルは、第4四半期の生産予定の「ピクセルシリーズ6」に搭載される。このチップもサムスン電子のファウンドリが製造を担当する予定である。

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