糸魚川市の姫川港に今年3月、西ふ頭3号岸壁(水深10メートル、延長170メートル)が完成、同4月に供用開始した。8月2日には初荷揚げ作業が行われた。昨年7月に豪雨災害に見舞われた熊本県から、災害廃棄物の木くず約666トンを受け入れた。
県管理の地方港湾・姫川港は昭和48年9月に開港し、今年で開港48年。後背地に石灰石・電力資源、セメント工場などを有し、地域の海運拠点と位置付けられている。平成15年4月には総合静脈物流拠点港・リサイクルポートに指定された。全国に22港あり、県内では唯一。
同港の令和2年取扱貨物量は約420万トン。セメント、石灰などの輸・移出、石炭、非金属鉱物などの輸・移入を行っている。
西ふ頭3号岸壁は平成21年度に事業着手した。整備費用は23億8000万円。令和3年3月に完成。荷揚げ物の水分が岸壁から海へ流出しないよう傾斜を付けるなど、リサイクル岸壁の機能を強化している。港湾計画の改定に伴い、水深11メートル岸壁も計画されており、実現へ整備が進められる。
リサイクル港活用幅広がる
初荷揚げでは熊本県の八代港から正隆丸が木くずを積んで入港。地元の西頸城運送が荷役を担当した。
木くずは、明星セメント糸魚川工場がバイオマス発電燃料として使用、発生した焼却灰はセメントの副原料として再利用する。
作業を見守った前川修一工場長は「今回の完成でさらにリサイクルポートとしての活用幅が広がり、災害廃棄物等を積極的に受け入れることが可能になった。姫川港のさらなる活用で被災地の早期復興に貢献していきたい」などと話した。