高級ミニバンの“ゴージャス度”を比較 煌びやかなアルファード、上品なオデッセイ、風格のエルグランドと三者三様の独自性が火花を散らす

ミニバンジャンルの中でもひときわ豪華なのがLクラスミニバンだ。トヨタ アルファードを代表格に、ホンダ オデッセイ、日産 エルグランドなど各社を代表するモデルがラインアップされている。その豪華さを表現するスタイリングを徹底比較。中でも“ゴージャス度”を評価軸に、Lクラスミニバンのライバル車3台を写真と共に見比べてみた。

トヨタ アルファード/ホンダ オデッセイ/日産 エルグランド

独自の世界観が広く評価され、圧倒的な販売実績をもたらした「トヨタ アルファード」

堂々たる風格のトヨタ アルファードは、2021年上半期(2021年1月~6月度)新車販売ランキングで、ヤリス、ルーミーに次ぐ堂々の3位にランクインした。6ヶ月で5万6778台、月平均9463台。新車価格500万円前後の高級車を、200万円前後のコンパクトカーとほぼ同等に販売したというのだから凄い。

こちらはエアロ系のフロントデザイン

そんなトヨタ アルファードのフロントマスクに対し、時に「ドヤ顔」などと評するひとがいる。しかし実車の大きなフロントグリルを細部までよくよく観察してみれば、それが的外れな評価であることがわかるはずだ。

精緻な立体造形によるフロントデザインの流れは、そのまま車体全体のフォルムとも良く調和。豪華な内装などと共に、アルファード特有のゴージャスな世界観を生み出した。

圧倒的な販売実績は、こうしたアルファードの内外装デザインに対する高評価の現れと言って良いだろう。

ゴージャス過ぎず、程よい押し出し感が高評価の「ホンダ オデッセイ」

2021年11月にマイナーチェンジしたばかりのホンダ 新型オデッセイ

2020年11月の大幅改良により前後デザインを大きくリニューアルし、イメージを一新させたのが、ホンダ オデッセイだ。スポーティさを感じさせていたマイナーチェンジ前とは異なり、ボンネットの高さを上げ厚みを持たせた造形へと変更。高級Lクラスミニバンに相応しい重厚感を手に入れた。

確かに、煌びやかさを押し出すライバル車と並べてみると、新型オデッセイのフロントグリルは、随分と控えめな表現に留めている。今回の比較テーマ“ゴージャス”度対決となると、アルファードや日産 エルグランドの強さには負けてしまうかもしれない。

しかし、むしろこのシンプルな佇まいの中にもしっかり感じさせる上質さこそ、新型オデッセイの個性と考えるべきだ。

実際、SNSでのオデッセイ評も『程よい押し出し感』『過剰でないのが良い』といったように、新型オデッセイ特有の品の良さを高評価しているホンダファンが少なくないことがわかる。

デビュー11年、2度のリニューアルで風格を増した「日産 エルグランド」

写真は2020年にマイナーチェンジを実施した日産 新型エルグランド

最後に紹介するのは日産のエルグランド。もともとLクラスの高級ミニバン市場を開拓したのは、1997年に登場した初代エルグランドからだった。

現行型の3代目(E52型)は2010年8月に登場しており、今年2021年でデビュー11年を迎えたベテラン選手である。2014年と2020年に2度の大きなマイナーチェンジを実施し、その度にフロントマスクのデザインをさらにゴージャスな雰囲気へとリニューアル。今なおフレッシュさを保っているのだ。

最新のエルグランドのフロントデザインを仔細に見てみると、こちらもアルファードに負けず劣らずの凝った造形であることがわかる。

なかでも、2020年のマイナーチェンジ時に追加されたカスタムモデル「AUTECH(オーテック)」は、ダーククロム仕立てのフロントグリルと各部のメッキ加飾を融合。十分な風格を持たせた。

3車3様の個性が競演するLクラス高級ミニバン、アナタのお好みはどれ!?

一括りにLクラス高級ミニバンと言っても、トヨタ アルファード、ホンダ オデッセイ、日産 エルグランドと見比べてみると、それぞれ3車3様に強烈な個性を持っていることがわかる。

果たして皆さんが最も気になるモデルは、一体どのミニバンだろうか。

[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダトオル/撮影:木村 弘道・和田 清志・TOYOTA・Honda・NISSAN・MOTA編集部]

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