【新型コロナ】異物混入のモデルナワクチン 川崎の会場で6800回分接種済み

連日多くの市民が訪れる川崎市の大規模接種会場=川崎市中原区

 米モデルナ製新型コロナウイルスワクチンの異物混入問題を巡り、国が使用見合わせとしたロット番号のワクチンが、神奈川県内で川崎市の大規模接種会場と職場接種の40会場に納入されていたことが26日、明らかになった。

 川崎会場には1万4900回分が納入され、うち約6800回分が接種済みだった。異物混入の発覚や健康被害の報告はないが、専門家からはワクチンの安全性を疑問視した「接種控え」の広がりを懸念する声が相次いだ。

 「皆さんに不安を与えるようなことが起きてしまったことは大変遺憾だ」

 黒岩祐治知事は定例会見でこう述べ、接種会場でワクチンの異状の有無について確認を徹底する必要性を強調。接種したロットは追跡できているとし、「これ以上の不安を与えることはないと確信している」と続けた。

 県によると、自治体の集団接種会場でモデルナ製を使用しているのは、県の福祉従事者接種と横浜、川崎市の大規模接種会場。県と横浜市で問題が発覚した3ロットはなかったという。

 川崎市では中原区の大規模接種会場「NEC玉川ルネッサンスシティホール」で納入されていた。市によると、使用見合わせとなったロット番号「3004667」のワクチン1490本(1万4900回)が納入され、うち今月20~25日に約680本(約6800回分)を使用した。

 26日以降は別のロットを使用するため、接種スケジュールに影響はないという。

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