逆転Vに向けて暗雲となる敗戦だった。ソフトバンクが27日のオリックス戦(京セラ)に0―2で完敗。首位・オリックスとの差が5ゲームに広がった。
相手エース・山本由伸(23)の圧巻の投球に手も足も出なかった。打ったヒットは4本のみ。難攻不落の豪腕に対して、この日は5回を終えた時点で45球と積極的に打って出る作戦を取った。しかし、実らなかった。106球の完封勝利を許した。
工藤監督は「四球を連発するというのも去年だったら多少あったがここ最近はない。打っていくしかないと思う。打者もいろいろ考えてやってくれてはいるが、そう思い通りに投げてくれる投手ではない。やられたなと思います」と白旗を掲げるしかなかった。
近年、ソフトバンクは最高峰の難敵として山本攻略へ打線が一丸となってきた。昨季は被打率1割台に抑えられながらも、2・2イニングに1つの四球を選ぶなど粘り強い攻撃で対戦成績も山本の2勝3敗で勝ち越した。しかし、今季はレベルアップした右腕に4度の対戦で3勝(1敗)を献上。敗れた3戦すべてが無得点で2完封を許している。
1週間後にもオリックスとの3連戦があり、カード初戦で山本との再戦が濃厚。残りの直接対決もすべてが週末カードで、相手ローテの兼ね合いもあるが毎回山本が投げて来る可能性がある。嫌なイメージをつけたいところだったが、逆転Vへも響く敗戦となった。
後半戦が始まり「中断期間があって少しは勢いも止まるかと思ったがオリックスがまったく落ちてこない」(チーム関係者)との警戒感も。直接対決で叩きたかった中で、連覇を狙う鷹が大事なカード初戦を落とした。