韓国のサツマイモ市場、「密輸日本産」がシェア最大も国産化進む

画像:韓国産サツマイモ/赤みがかって糖度が高いとされる/MBN放送キャプション

韓国でサツマイモの国産化が進められている。同地では日本の「紅はるか」が市場の4割を占めるなど人気だが、糖度の高い韓国産サツマイモも開発が進んでいる。

韓国のMBNは26日、『日本のサツマイモを超える…国産品種さつまいも4銃士活躍』というニュースを放送した。冒頭でMBNは、「国内(韓国)で栽培されているサツマイモの相当数が日本品種との事実をご存知ですか?」としつつ、「(韓国)農村振興庁が品種の開発と農家普及に努めてきたことから、国産化に成果が現れています」と伝えた。

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MBNは韓国産のサツマイモ「シンユルミ」「プンウォンミ」など4種を紹介し、「農村振興庁は2025年までに国産品種の割合を50%まで引き上げる計画ですが、商品性が高く可能性は十分です」と述べた。

MBNは、「国産品種が開発される前は、日本品種などが占める割合が85%であった」としつつ、韓国産品種のサツマイモはベータカロチ含有量が高く、害虫にも強いことを説明。特に糖度が30ブリックスと高く、「ブドウやリンゴなどの果物よりも約2倍高い」と強調した。(※紅はるかは26~27ブリックスとされる)

MBNは「国産さつまいもが日本品種を越えて輸出の道に上がる日も間もなく見えます」と伝えている。

画像:サツマイモ国産化進捗について伝える韓国MBNキャスター/当該放送キャプション

ちなみに、最も人気の高い「紅はるか」をめぐっては、その品種が韓国で勝手に栽培されたとの報道が日韓でなされている。

FNNは昨年11月、「紅はるか」を韓国の農家が密輸し、同国自治体の農業センターが培養に関わったという韓国メディア発の情報を伝えた。培養で大量に増えた苗を農家に売ることで韓国全土に「紅はるか」が広まったが、ロイヤリティが日本側に払われることはなく、その請求や品種登録も難しいというのがFNNの報道だった。

韓国でも人気の焼き芋

韓国では一昨年にすでにこの事が報じられている。韓国農民新聞の2019年6月記事では、紅はるかが「国内(韓国)にどのように導入され、栽培が急速に拡大したのかが非常に不透明である」とし、栽培を目的に種子が公式に輸入された記録がないことや、「《密輸》で入ってきて拡散されたという事実を取材の過程で確認できた」ことなどを伝えた。

その上で、これは「国内(韓国)のサツマイモ産業全体の恥部だ」とし、「密輸サツマイモによって市場が占領された国内の現実は、息苦しさを越えてため息まで出てくるというのが、サツマイモの研究者らの一様な指摘だ」と嘆いている。

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