諫早湾干拓と有明海の再生 考えて オンライン連続講座 28日から

 国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防閉め切り問題と有明海の再生を考える一般向けオンライン連続講座(全7回)が28日から開催される。無料。主催する市民団体などが参加を呼び掛けている。
 同事業を巡っては、開門確定判決を巡る請求異議訴訟差し戻し審で福岡高裁が開門派と国の双方に示した和解協議の行方が焦点となっている。環境省の有明海・八代海等総合調査評価委員会は本年度をめどに海の再生に向けた中間取りまとめを公表する予定。こうした中で、開門派の市民団体「有明海漁民・市民ネットワーク」と、識者らでつくる諫早湾開門研究者会議が初めて企画した。
 講師は底生生物学の専門家ら同会議メンバーと同評価委の委員計6人。開門派が主張する有明海の漁業被害や環境悪化と堤防閉め切りとの因果関係については限定的な見方をしている研究者も入っており、同ネットワークは「有明海再生に向け、開門がどういった意味を持つのか多様な視点で考えたい」としている。
 「諫早湾潮止め後24年間の有明海奥部における底生動物群集の経年変化」(28日午後2時から静岡大理学部の佐藤慎一教授)を皮切りに開き、最終回の9月23日は同会議メンバー4人によるディスカッションを予定している。申し込みは各回、同ネットワークのホームページから。講座の様子は後日、ユーチューブでも配信する。問い合わせは同ネットワーク東京事務局(電03.3986.6490)。

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