【夏の甲子園】初の〝智弁〟頂上決戦 智弁学園の小畠「奈良が本校なんで負けられない」

投打に活躍した智弁学園・小畠

第103回全国高校野球選手権大会は28日に準決勝2試合が行われ、第1試合では智弁和歌山が近江(滋賀)に5―1で勝利。第2試合は智弁学園(奈良)が京都国際を3―1で下し、29日の決勝は姉妹校同士による〝智弁対決〟となった。

第2試合は先発の小畠(3年)が投打で活躍した。スコアレスで迎えた4回二死一、二塁。小畠が相手先発の平野(2年)の甘く入ったスライダーをとらえ、浜風に乗せて左翼席に運んだ。「たまたまです。みんな期待してなかったと思う。まさか越えると思わなかった」と本人もビックリの先制3ランだった。

投げては粘りの京都国際打線を散発3安打1失点に抑え、自らの3点を守って完投勝利。小坂監督も「ストライク先行でしっかり投げてくれた。リズムがよく野手も守りやすかったと思う。3ランは本人も僕もビックリです」と喜んだ。

姉妹校同士の頂上決戦。小畠は「ユニホームも似てるのでどっちかわからないと思うけど、奈良が本校なんで負けるわけにはいかない」と闘志を燃やす。ユニホームのデザインもほぼ同じ。修学旅行先も同じで、日ごろからかかわりがあるだけに意識せずにはいられない。第1試合で智弁和歌山の勝利が決まると、小坂監督がナインに「意識したら負けるぞ」とクギを刺したほどだ。

主砲の前川(3年)は相手主砲の徳丸(3年)と仲が良く、いつも連絡を取り合う。大会期間中も本塁打した横浜戦後に「ナイスバッティング」と電話をもらい「雨で流れたけど頑張って」などと励まし合ってきた。

だからこそ「絶対に勝たなくてはいけない相手。仲はいいけど、勝負。両チームが目の色を変えてぶつかってくる」とライバル心を燃やし、捕手の植垣(3年)も「日ごろとは別にして本気でつぶしにいきたい」と腕をぶす。

悲願の初優勝まであと1勝。歴史ある「本校」の威信にかけても負けられない一戦だ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社