巨人・ビエイラ 球団記録更新の30試合連続無失点「到達出来て感慨深い」

球団記録更新のパネルを掲げる巨人・ビエイラ

〝日本最速の男〟がまたしても歴史を塗り替えた。巨人のチアゴ・ビエイラ投手(28)が28日の中日戦(バンテリン)に9回から救援登板し無失点。これで5月3日の広島戦(マツダ)から続く連続試合無失点記録を「30」に伸ばし、2012年に高木が記録した球団最長記録を更新した。

圧巻の投球だった。1―1の同点で迎えた9回からマウンドに上がったビエイラは、156キロの速球で先頭打者・京田を中飛、続く代打・福田永を右飛にそれぞれ打ち取ると、最後は大島を140キロのスライダーでニゴロに抑えてゲームセット。わずか6球で1番から始まる好打順を抑え込んだ。

球団史に残る記録に、右腕自身も「本当にうれしいですし、すごい記録に到達出来て感慨深いです」と興奮を隠し切れない様子。それでも「本当に感謝の気持ちでいっぱいですし、こういう素晴らしいチームメートでなかったら、こんな記録にもたどり着けてないと思うので、周りのチームメートに感謝したいと思います」と、謙虚な姿勢を崩さなかった。

ストイックな性格からチームでも〝練習の虫〟として一目置かれ、宮本投手チーフコーチも「世界一練習する投手。あれだけ練習する人間はメジャーにもいないはず。普段の生活から、会話から、人間性からすべてにおいて素晴らしい野球人だと思います」と大絶賛だ。

当の本人はその評価を聞いて照れ笑いを浮かべながらも「我々人間は一般的に、誰でも人生において使命というものはあると思う。自分がグラウンドでやることによって、周りのチームメート、周りの人を少しでも駆り立てたりとか、少しでも何か前に向くようなエネルギーを与えるようになっているということは、自分にとって本当にうれしいことです」と、胸の内を明かした。

チームの守護神として急成長し、球界屈指のリリーバーとなりつつある剛腕は次なる高みへ向かう。外国人投手としては2011年にファルケンボーグ(ソフトバンク)が記録した31試合、球界全体では今季、平良(西武)が記録した39試合の最多記録への期待がかかる。勢いそのままに快進撃を続けることができるか、注目だ。

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