【高校野球】準決勝でエース完投の智弁和歌山と温存の智弁学園 “智弁対決”決勝の見どころは?

決勝は智弁和歌山-智弁学園、史上初の「智弁頂上決戦」に

智弁和歌山はエースの中西が準決勝で1失点完投、智弁学園は西村を温存

第103回全国高校野球選手権は29日、阪神甲子園球場で決勝が行われる。夏の甲子園史上初めて近畿勢が4強を独占した今大会。智弁和歌山(和歌山)と智弁学園(奈良)による史上初の“智弁対決”の決勝に。兄弟対決で真紅の大優勝旗が争われる。

夏の甲子園での“智弁対決”は2002年の3回戦以来で、この時は智弁和歌山が7-3で勝利している。公式戦では、1995年秋の近畿大会準々決勝、2019年春の近畿大会1回戦、2019年秋の近畿大会準々決勝でも対戦しており、対戦成績は2勝2敗。直近の2019年秋は17-13で智弁学園が勝っている。

勝負の鍵は両校の投手陣が握ることになるか。近江(滋賀)に5-1で勝った智弁和歌山と、京都国際(京都)を3-1で下した智弁学園、準決勝での投手起用は対照的のものとなった。

智弁和歌山は背番号1を背負う中西聖輝(3年)が1人で投げ抜き、4安打1失点10奪三振で完投勝利。124球を投げた。3回戦の高松商(香川)戦で最後を締めた伊藤大稀(3年)、石見智翠館戦(島根)に先発した塩路柊季(2年)、その後を受けた高橋令(3年)、武元一輝(2年)は準決勝で登板しなかった。

ユニホームもそっくり、修学旅行先も同じという兄弟校同士の決勝

一方の智弁学園は準決勝で背番号1を背負う左腕の西村王雅(3年)を温存。今大会3試合でリリーフ登板、日本航空(山梨)との3回戦で1失点完投勝利を挙げていた小畠一心(3年)が京都国際打線を1人で抑え込み、3安打1失点で完投。打っても決勝の3ランと大活躍した。小畠は25日からの4日間で224球を投げており、決勝は、満を持して、西村が先発すると見込まれる。

打線は共に上位打線が活発。智弁和歌山はリードオフマンの宮坂厚希(3年)が打率5割超え。2番の大仲勝海(3年)、3番の角井翔一朗(3年)も4割を超えている。智弁学園は2番の森田空(3年)が準決勝で3安打5出塁、大会打率.476と好調。2本塁打を放っている3番の前川右京(3年)、4番の山下陽輔(3年)の中軸は強力だ。投手陣がこの上位打線をどう抑え込むことができるかが勝負のポイントとなりそう。

新型コロナウイルスによる宮崎商(宮崎)の辞退で3回戦からの登場となった智弁和歌山は3試合に勝って、4度目の決勝に駒を進めた。対する智弁学園は1回戦から5試合を戦って、初の決勝進出。ユニホームもそっくり、修学旅行先も同じという兄弟校同士の決勝戦を制するのはどちらの“智弁”になるだろうか。(Full-Count編集部)

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