【全日本】諏訪魔が芦野を下し王道T3度目の優勝で3冠挑戦へ「全盛期だ、オイ!」

王道トーナメントで優勝し三冠王者・ジェイク・リー(右)に挑戦する諏訪魔

全日本プロレスのシングル最強を決める「王道トーナメント」の優勝決定戦が28日の後楽園ホール大会で行われ、〝暴走専務〟こと諏訪魔(44)が〝一人アンファンテリブル〟芦野祥太郎(31)に勝って最多となる3度目の優勝を果たした。

第1試合で行われた準決勝で宮原健斗を万力固めで押さえ込み、勝利をもぎった諏訪魔。優勝決定戦では、準決勝で3冠ヘビー級王者のジェイク・リーをラストライドで撃破した芦野との対戦になった。

ともにレスリング出身で現在はタッグを組むことも多いパートナー対決は、序盤、高速でポジションを奪い合う展開になる。ともに譲らなかったが、徐々にエルボーで押し込まれアンクルロックで捕獲されるなど諏訪魔のピンチが続いた。

しかし猛攻を耐え抜くと、かんぬきスープレックスでぶん投げてペースを取り戻すことに成功。ドロップキックで吹っ飛ばし、ラリアートで1回転させると2発の岩石落としで追い込んだ。これをカウントを2で返されると、再度後ろからつかまえて岩石落とし固めでフォールし3カウントだ。

2017年以来の優勝に「優勝したぞ、オイ!」と絶叫した暴走専務は「芦野、お前ホントつええよ。今日は決勝でシングルをやったし、まだまだ(対戦は)やるけど、その前に俺らで世界タッグを取りに行こうよ」と、宮原健斗、青柳優馬組が所持する世界タッグ王座への挑戦を表明。これを芦野が受諾する様子を見せると諏訪魔は大きくうなずき、さらに「ジェイク! 出てこい!」と3冠王者を呼び出して「そのベルトは俺がコロナで返上しただけなんだ。俺はそのコロナに勝った。だから次はてめえに勝つ」とジャイアニズムを炸裂させた。

戦前、王道T優勝決定戦で諏訪魔を下し、次期挑戦者に諏訪魔を指名してタイトル戦でも叩き潰すと宣言していたジェイクはこの言葉に「最悪だ。計画が狂った」と苦虫をかみつぶしたような表情。だが「いいだろう。軌道修正だ。タイトルマッチ、いつでもやってやる」と挑戦を受諾した。

勢い付く諏訪魔は「絶対5冠だ。間違いない」と3冠と世界タッグの同時戴冠を宣言。「3冠だけ、世界タッグだけじゃ物足りねえんだよ!」と叫んだが、再び覇権を握ることができるだろうか。

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