中日守護神R・マルティネスに流出の懸念 キューバとパイプもコロナ禍が“ネック”に

今オフの去就が注目されているR・マルティネス

中日の守護神は大丈夫なのか。R・マルティネス投手(24)の今オフの去就が注目されている。今季で2年契約が切れるだけに関係者の間で他球団への流出が不安視されているのだ。

R・マルティネスは今季20試合に登板して失点を許したのはわずか2試合だけ。0勝1敗12セーブ、防御率0・91と抜群の内容で中日投手陣を支えている。だが年俸はわずか6000万円(推定)と格安なだけに球団事情に詳しい関係者の間からは「あんなにいい抑えはなかなかいないよ。よそもチャンスがあれば大金を積んで狙ってくるかもしれない」と心配する声もある。

中日にとってのアドバンテージは本人が名古屋やチームに愛着を持っている点と、中日がキューバと太いパイプを築いてきたことだ。キューバ選手との契約についてはキューバ政府との合意が必要となるだけに、そこは長年の実績を持つ中日が有利。2年前には与田監督がわざわざキューバまで出向いて、R・マルティネスの契約延長について政府要人やキューバ野球連盟関係者と交渉を行ったが、これも中日とキューバとの深い関係があればこそだった。

だが「(コロナ禍の)この状況では直接キューバに行くことはできない」(球団関係者)と今オフはキューバサイドと膝と膝を突き合わせての交渉は難しいと見られている。その隙を他球団に突かれないとも限らない。「(R・マルティネス残留の見通しは)まだわからない」という声も一部関係者から出るなど100%安心できるという状況ではなさそうだ。

3年契約が切れるビシエド、FA権を取得した祖父江、又吉と中日はただでさえ残留交渉が山積み。R・マルティネスを残留させるのにも多額の資金が必要となるのは間違いないだけにいろいろと難しいかじ取りを迫られそうだ。

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