巨人の先発マスク争いをライバル球団も注目「強打の大城」か「小林の逆襲」か

首位に返り咲いた巨人が勝負の1週間に突入する。31日からは2位ヤクルトと3位阪神との6連戦。首脳陣は「特攻ローテ」を描き、一気の首位固めを狙う。チームの浮沈を占う上位対決となるが、先発マスクを巡る争いも正念場。強打を誇る大城卓三捕手(28)がいよいよ先発陣を〝完全制覇〟するのか。小林誠司捕手(32)に逆襲の余地が残されるのか、他球団からも注目が集まっている。

V3を目指す巨人が一つの山場を迎える。最大8ゲーム差を縮めて首位に立ったが、その差はごくわずかだ。勝率5割7分5厘の巨人に対し、ヤクルトが同5割7分3厘1毛で阪神は同5割7分2厘9毛。わずか約2厘差の大混戦を抜けだすべく、首脳陣もチームに号令を発した。

宮本投手チーフコーチは「『中5計画』を持ってやりたいなと思います。もう全員です。どんどん(登板間隔を)詰めていきたい。そのうち中4日もでてくるでしょう。先発陣には伝えてあります」と明言。前週に登板した直江を抹消したことで、先発陣は5人体制となっている。31日のヤクルト戦(岐阜)に中6日でメルセデスが先発した後は中5日で菅野、山口、戸郷、高橋が続き、9月5日の阪神3戦目(甲子園)は〝虎キラー〟のメルセデスを中4日で起用する可能性にも言及した。

先発陣のデキにチームの命運もかかる一方、誰が先発マスクをかぶるのかも気になるところ。昨季は2度の不運な骨折に見舞われ、再出発を期した小林も正念場を迎えている。

ライバル球団からは「攻守の総合力で首脳陣がどちらを使いやすいかと言えば大城でしょう。点を取られても、自分の打撃で取り返す期待が持てる。相手の先発との兼ね合いで、途中から大城を代打で使いたいとなれば、小林のスタメンもあるかもしれないが、勝負どころの6連戦の起用法で首脳陣の考えや評価がハッキリするのでは?」との見方も上がった。

今や事実上の正捕手に君臨するのは大城だ。今季はついに自身初となる2桁本塁打(11本塁打)をマークし、守備面でも盗塁阻止率4割2分1厘はリーグ1位。ローテ入りする5人では10勝の高橋、戸郷とメルセデスが大城でほぼ固定され、流動的なのは復帰間もない菅野と6月に加入した山口の2人となっている。

菅野からすれば両者ともバッテリーの経験は豊富だが、前回登板した26日の広島戦では大城とのコンビで6回5失点KO。山口は大城と今季初バッテリーを組んだ20日のDeNA戦で5回3失点、前回27日の中日戦は小林で2回4失点を喫していずれも敗戦投手となっている。

そうした点を首脳陣がどう判断するか。守備固めとして途中出場が増えた小林も安定感のあるリードで勝利に貢献しているが…。このまま大城が主力先発陣を〝独占〟するのか、それとも――。

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