佐世保市 書類押印 6割廃止へ 市民、事業者の提出分 1日から

 長崎県佐世保市は9月1日から、市民や事業者が市に提出する各種手続きの約6割で押印を不要にする。市民サービスの向上や新型コロナウイルスの感染防止対策などを目的に「脱はんこ」を本格化し、オンライン申請につなげる。
 国の方針を受け、市は5月から全庁的に押印を省略できないか検討していた。
 市総務課によると、市独自の書式を使う書類は2637種類ある。このうち押印が不要になるのは、認め印を使っている書類が中心。国民健康保険の高額療養費申請や介護保険の要介護認定の申請など1619種類が含まれる。以前から押印不要だった分も含めると将来的には9割の書類で不要になる見込み。運転免許証などで本人確認する。
 一方、入札書や請求書のほか、国や県の書式を使う書類はこれまで通り押印が必要。市総務課は「国や県の動向を見ながら段階的に見直していく」と説明する。
 また、紙の請求書や申請書に加え、スマートフォンなどで行政手続きもできるようになる。9月以降は新たに63手続きが対象。市DX推進室は「市民の申請する手段が増える。新型コロナ禍でもあるので来庁しなくても申請できる仕組みを整えていきたい」としている。

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