来日4年目で初三塁打&逆転弾 不調だったDeNAソトを一変させた同僚からの助言

DeNAのネフタリ・ソト【写真:荒川祐史】

ソト「(米国でも)三塁打を打った記憶はない、今回は忘れないと思う」

■DeNA 7ー6 広島(31日・横浜)

DeNAのネフタリ・ソト内野手は8月31日、本拠地・横浜スタジアムで行われた広島戦に「6番・一塁」で出場し3打数2安打2打点。4回には来日4年目、通算1842打席目にして初の三塁打を記録し、7回には値千金の逆転19号2ランを放った。5点ビハインドをひっくり返す立役者だった。

「率直にうれしいね。三塁打は米マイナーリーグでもそれほど打っていないと思う。実際、打った記憶はないよ。今回は忘れないと思うけどね」。ソトは照れ笑いを浮かべた。

1-6とリードされて迎えた4回。先頭で広島先発・森下の内角低め速球を叩くと、高々と舞い上がった打球は左中間フェンスを直撃し、大きく跳ね返った。ボールが外野を転々とする間に、必死の形相で二塁を蹴り、三塁に足から滑り込んだ。

「ボールが内側に跳ね返った時点で、これは三塁まで行かないといけないと思ったよ」。決して足が速くない助っ人の激走にベンチは盛り上がり、続く牧が左翼席へ16号2ラン。逆転劇はここから始まった。

2点差で迎えた7回には、宮崎の左前適時打でまず1点差に詰め寄り、なおも1死一塁から、ソトが広島3番手・島内のストレートを右中間席へ運んだのだった。

僚友オースティンの助言で「修正することができた」

ソトの今季打率は試合前の時点で.253。特にペナントレース後半戦突入後は.200(45打数9安打)の不振だった。この日の試合前には、同僚のタイラー・オースティン外野手からアドバイスを受ける姿があった。「細かく説明することはできないが、彼が気付いてくれたことがあって、そこを修正することができた」と明かす。

ソトとオースティンは今季、コロナ禍で来日が遅れ、チーム10連敗の真っ只中だった4月13日に同時に1軍昇格。同15日からスタメンに名を連ねた。2人が打棒を振るうようになって、当時断トツの最下位に沈んでいたチームは上昇気流に乗った。

32歳のソトの方が年上で日本でのキャリアも長いが、メジャーリーグでの経験は通算34試合、打率.071(42打数3安打)、0本塁打、1打点。一方、来日2年目で29歳のオースティンには名門ヤンキースなどでメジャー通算209試合出場、33本塁打の実績がある。今季成績もリーグトップの打率.322、チームトップの22本塁打、54打点と突出している。走っても相手の隙を突いて次の塁を奪い、守ってもフェンスへの激突やダイビングキャッチも辞さないハッスルプレーでチームを鼓舞する“優等生”だ。

ソトは来日1年目の2018年に本塁打王、翌19年に本塁打&打点の2冠王に輝いて以降、成績はやや下降気味だが、オースティンの存在は刺激になっている様子だ。オースティンにとっても、日本を熟知している“ソト先輩”の存在は心強いだろう。

三浦大輔監督は「外国人2人は常にひとつ先の塁を狙ってくれている」とその姿勢を称え、「ソトの状態は上がってきた。こういう打撃を今後も期待したいね」と目を細めた。広島と並んで5位タイのDeNAが、両外国人の相乗効果で上位進出を狙う。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

© 株式会社Creative2