V3の井岡一翔が“タトゥー騒動”で問題提起「それって別に必要なのって」

会見を行う井岡一翔(代表撮影)

ボクシングのWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチが1日に東京・大田区総合体育館で行われ、王者の井岡一翔(32=志成)が同級2位のフランシスコ・ロドリゲス・ジュニア(メキシコ)を判定3―0で下し3度目の防衛に成功した。

積極的に前に出てきたロドリゲスに苦戦を強いられたが、ボディーブローをはじめ有効打を積み重ねて接戦をものにした。「今日は全然自分の持っているものを出せなかった」と反省しつつも「経験で勝てた試合」と次につながる結果を出せたことに安堵の表情を浮かべた。

今後は年内の統一戦実現を目指すが、狙いはIBF同級王者のヘルウィン・アンカハス(フィリピン)に絞られている。「そこでとりあえず取りに行きたいと思ってジムに自分の意思は伝えているので。年内、交渉次第ですけど僕はそこ1本で狙って。とりあえずベルト2本取って、ローマン・ゴンザレスとエストラーダで勝って(WBAとWBCの)2本持ったほうとやろうという感じです」と青写真を明かした。バンタム級に上げての5階級制覇を狙う可能性を問われても「スーパーフライでいま一番強いんだって、世界に認知を広げられたら視野が広がるかもしれないですけど、今はこの階級で。自分のベストの階級だと思ってるので、ここにこだわっていきたい」と言い切った。

昨年末のV2戦後はドーピング騒動にタトゥー問題と騒がしい日々が続いた。この日のトランクスとグローブを白でそろえたことに関して「『潔白』って意味じゃないですよ」と報道陣を笑わせつつも、タトゥー問題に関してはこの日も試合中の汗で薄れて露出してしまっていた。

JBCルールでは「入れ墨など観客に不快の念を与える風体の者」は試合に出場できないと定めている。一翔はJBC立ち会いのもとファンデーションを施して臨んだため「ルールを破ってリングに上がったわけではない」と主張した。

一方で挑戦者のロドリゲスにもタトゥーがあったが、JBCルールの適用は日本ジム所属選手のみのため、一翔だけがファンデーションを義務付けられる不公平さも生まれてしまっていた。一翔は「ルールで決まっていることなのでどうこう言う権利はないですけど」と前置きしつつも「試合に向けて今から集中しているなかで、隠すものを入念に塗って、それって別に必要なのって。リングに上がったら対戦相手は(ファンデーションを)塗らずに上がって来てるわけじゃないですか。同じボクサーとして、国は違えど。そこって重要視するところは違うんじゃないかなって。もっとプレーに集中して、選手が集中できる環境を作ったほうがいいんじゃないか、というのが個人的な意見」と問題提起していた。

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