上越酒造を子会社化 設備更新、販路拡大視野に 日本トーター

 競艇、競馬など公営競技の投票機販売や集計システムの構築などを手掛ける日本トーター(本社・東京都)は8月30日、上越酒造(上越市飯田)の全株式を取得し、完全子会社化した。

 日本トーターは今後生産設備などを更新し、一年を通して酒を造る「四季醸造」に切り替えるとしている。

 株式の取得価格は非公表。日本トーターは今後、同社の部長クラスを上越酒造の社長に就任させる他、公営競技場での販売など「公営競技と酒造の融合」で販路拡大を見込む。上越酒造の飯野美徳社長は酒造りのため同社に残る方針で「できる限り協力していく」と話した。同社は文化元(1804)年創業、昭和31(1956)年に会社設立の老舗蔵元で、「越後美人」「越の若竹」が代表銘柄。

 飯野社長は3年ほど前から、後継者不在のためM&Aによる事業承継の他、廃業も視野に先行きを検討してきた。そこで相談を受けた新潟県事業承継・引継ぎ支援センター(新潟市中央区)の支援を受け、今回の事業譲渡に至った。

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