韓国元大臣「中国は小児的大国...気に入らないとすぐ報復」「韓国の対中意識はナイーブで牧歌的」

韓国の元産業大臣であり中国社会科学院で顧問を務めたこともある人物が、韓国の対中国外交に警鐘を鳴らしている。

文化日報は2日、カン・ドックNEAR財団理事長への長文インタビュー記事を掲載した。カン理事長は中国社会科学院顧問を務めたこともあるなど中国通であり、元国会議員(現与党)でもある。

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カン理事長は、インタビューにおいて「中国に対する恐怖と幻想を捨てなければならない」と冒頭で述べたあと、韓国が中国への認識を変える必要があると一貫して論じている。インタビュー終盤では韓国の対中意識が「無意識」レベルにあると危惧した。

カン理事長は、「習近平国家主席の時代、中国の実体と本音をそのまま直視しなければならない」と述べた。カン理事長は、「米中衝突の過程で、中国は、韓国が過度にアメリカの同盟体制に密着することを防ぎ、米と中と中間地帯のどこかに縛り付けたい」と述べている。

カン理事長は、「韓国は朝鮮半島の平和に執着しているため、中国の強圧と親北的な態度に適切に対応できていない」と分析している。これは与党・共に民主党の外交姿勢を暗に批判しているともとれる。

中国が韓国をどのように見ているかという質問に対してカン理事長は、習近平が国内政治をする上で、「韓国の存在は目障りである」との見方を示し、「自由民主主義を定着させ、西欧文化を東洋文化に取り入れて成功したK-カルチャー(K-Culture)などが習近平の中国社会主義、中華民族主義の道と対置されるからである」との見方を示している。

韓国が中国をどのように見ているかという質問に対しては、「中国を眺める視点は誤判断から始まっており、ナイーブで牧歌的である」と評価した。その上で、「中国の実体と本音をそのまま直視しなければならない」とし、「長い間、米国への便乗外交に慣れていた韓国の外交は中国の強圧外交の前に過度の恐怖を持っているようだ」と説明した。

カン理事長は、「今、韓国の主権と生存権を守ることが、外交の基本となる必要があり、アイデンティティを確固たるものにすることが、もう一つの目標だ」とし、「中国を敵国としないまでも、それらの仮想の敵として対応強化しつつ、お互いに必要な国にならなければならない」と提起した。

カン理事長は、「中国は小児的大国だと思う」とし、「気に入らなければ、反射的に鋭敏に対応する」と指摘。その上で、「(米中の)どちらか一方の肩を持てば反対側で膨大な報復が入るだろう」と予想した。

カン理事長は、中国が韓国の政治家や企業、有識者の一部が中国の公共外交に飼いならされた懸念があると危惧しており、そのシャープパワー(Sharp power・秘密に影響力を行使する方式)の尖兵の役割を駐韓中国大使が担っているとの見方を主張した。

カン理事長は、韓国では中国を鄧小平時代の延長線上で見る人がまだ多いとし、「だから幻想が多い」と強調。「アメリカは危機意識、中国は機会意識、韓国は無意識に陥っている」と述べている。

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