韓国紙「村田製作所の工場中断で韓国企業に恩恵」も 村田側は工場再稼働発表

MLCC(積層セラミックコンデンサ)市場で1・3位を占める日本企業が相次いで生産停止に追い込まれるなか、同2位の韓国企業が恩恵を受けるとの報道が出ている。

韓国の大手金融紙・マネートゥデイは2日、MLCC市場1位の村田製作所と同3位の太陽誘電がコロナ感染の影響で稼働を中断するなか、同2位の「サムスン電機が恩恵を受ける可能性がある」と報じた。

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同紙は、太陽誘電がマレーシアの生産拠点をコロナ感染の影響で先月27日から稼働を一部停止したことを挙げ、「業界の総生産量の10〜20%を担当していると伝えられる」と指摘。また、「村田製作所の福井県工場も、25日から扉を閉じた状態である」とし、「工場の従業員と協力会社の従業員など98人が次々に感染したためだと説明。村田が来る31日まで工場を閉鎖し、従業員の検査結果を見て延長する可能性も伝えた。

その上で、「状況が長期化する場合、グローバルMLCCサプライチェーンが揺れることがある」という分析を挙げ、スマートフォンやノートパソコン、生活家電、自動車など広範囲に使用されているMLCCの世界的な供給不足可能性が浮上するなか、

画像:様々な製品で使用される必須素材MLCC

サムスン電機が「ハイエンド市場での需給の不均衡深刻化により間接的利益を得る可能性がある」との観測を示した上で、同社が今年、史上最大の実績を収める可能性に言及した。

しかし村田製作所側は31日、福井県工場(武生事業所)が操業を1日に再開すると発表した。感染していない従業員だけで稼働する生産体制が整ったという。読売新聞は1日、「在庫を出荷したことで製品の供給に大きな遅れは生じず、操業停止に伴う業績への影響は軽微となる見通しだ」との見方を示している。

MLCC市場はサムスン電機と村田製作所、太陽誘電など3社の寡占構造となっている。昨年の売上高基準で村田が40%、サムスン電機が23%、太陽誘電が12%の市場シェアを占めている。

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