諸塚で焼き畑復活 伝統継承 地区の魅力創造

諸塚村・池の窪グリーンパーク敷地内で行った焼き畑

 伝統を継承し、地域の新しい魅力を生み出そうと、諸塚村観光協会は村のキャンプ場「池の窪グリーンパーク」の敷地内で8月29日、焼き畑を行った。敷地内で耕作放棄地となっていた畑を再生しようと職員が発案。以前は村で焼き畑をしていたことから、伝承も兼ねて実施を決めた。
 同村家代の林業吉永勝馬さん(85)によると、村では昭和20年代までは焼き畑が盛んだったが、拡大造林などの影響で見られなくなったという。
 同日は20~80代の有志計15人が参加。熱さに耐えながら、約600平方メートルの傾斜地を約25分かけて焼いた。同村飯干地区の住民から借りた在来のソバの種3升をまき、獣害対策用の電柵を設置した。
 吉永さんは「風向きが良く、よく焼けた」と笑顔。池の窪グリーンパークの魅力発信に取り組む「森居間研究会」会頭の甲斐昭兵さん(34)は「世代を超えた人々で協力でき、達成感があった。池の窪を交流拠点として、来た人たちのアイデアを生かしてより面白く、気軽に来られる場所にしたい」と話していた。

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