東京商工リサーチ新潟支店が第17回新潟県内企業「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査

株式会社東京商工リサーチ新潟支店は3日、第17回新潟県内企業「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査の結果を公表した。同アンケートは、8月2日から11日の期間に実施し、有効回答239社を集計、分析したもの。

「新型コロナウイルスの発生は、企業活動に影響を及ぼしていますか?(択一回答)」という問いに対して最多となった回答は「影響が継続している」で71.1%(239社中170社)だった。以下、「現時点で影響は出ていないが、今後影響が出る可能性がある」が14.6%(35社)、「影響が出たがすでに収束した」が8.4%(20社)、「影響はない」は5.9%(14社)だった。「影響が継続している」は、前回調査の75.3%(263社中198社)より、4.2ポイント改善する結果となった。

「新型コロナウイルスの発生は、企業活動に影響を及ぼしていますか?(択一回答)」へ対する解答の割合

「貴社の今年(2021年)7月の売上高は、前年同月を100とすると、どの程度でしたか?」という問いについては、「100以上」(増収)は64.4%(125社)、それ以外の35.6%が前年割れ(減収)だった。一方、「貴社の今年(2021年)7月の売上高は、コロナ禍前の一昨年(2019年)7月を100とすると、どの程度でしたか?」という問いに対する回答は「100以上」(増収)が45.5%(85社)となり、それ以外の54.5%が減収だった。

「現在、貴社は、金融機関からの資金調達ニーズはありますか?(複数回答)」という問いについては、「資金ニーズはない」と回答した企業は55.3%(244社中135社)。「運転資金ニーズがある」は20.1%(244社中49社)、「設備投資資金ニーズがある」は19.3%(244社中47社)であった。

「コロナ禍の収束が長引いた場合、廃業(すべての事業を閉鎖)を検討する可能性はありますか?(択一回答)」に対して、「ある」と答えた企業は4.6%(218社中10社)。「ない」は95.4%(208社)だった。「ある」は前回調査より0.9ポイント改善した。また、「廃業を検討する可能性があると回答された方に伺います。検討するのは、いつ頃ですか?(択一回答)」という問いについては、「13~24カ月」が50.0%(10社中5社)で最多。「7~12カ月」、「25カ月以上」が各20.0%(10社中2社)と続いた。

「コロナ禍の収束が長引いた場合、再生支援協議会や事業再生ADR、民事再生法などを活用して事業再生を検討する可能性はありますか?(択一回答)」という問いに関しては、「ない」が96.7%(215社中208社)、「ある」が3.3%(215社中7社)となった。続けて、「あると回答された方に伺います。事業再生を検討する可能性があるのはいつ頃ですか?(択一回答)」という問いについては、「25カ月以上先」が50.0%、「25カ月以上先」が50.0%(6社中3社)、「1カ月以内」が33.3%(6社中2社)となった。

「あると回答された方に伺います。事業再生を検討する上で最も重視する点は何ですか?(択一回答)」という問いにつては、「手続に多額の費用を要しない」が50.0%(6社中3社)、「手続が簡潔で長期間を要しない」が33.3%(6社中2社)となった。

「事業再生を検討する上で最も重視する点は何ですか?(択一回答)」へ対する回答の割合

「コロナ禍が収束した後、貴社の売上高はコロナ前と比較してどうなると考えますか?(択一回答)」という問いについては、最多は「現在コロナ前より売上高が落ちており、コロナ後は回復する」の47.0%(198社中93社)だった。次いで、「現在コロナ前より売上高が増加しており、コロナ後も好調が持続する」の24.2%(48社)、「現在コロナ前より売上高が落ちており、コロナ後も回復はしない」が19.7%(39社)と続いた。

「コロナ禍が収束した後、貴社の売上高はコロナ前と比較してどうなると考えますか?(択一回答)」へ対する回答

東京商工リサーチ新潟支店はレポートの中で、「人流抑制、外出自粛などの要請もあり、アパレル関連業種の景況感は大幅に悪化しており、全国集計におけるアパレル関連業種では、業績見通しも全体の40.0%が『現在コロナ前より売上高が落ちており、コロナ後も回復はしない』と否定的な見方が多い」と指摘。

また、コロナ関連の支援施作により倒産が抑制されている現状へ対し「景気が落ち込むなかでの強力な支援策による『恣意的な』倒産抑制は、景気循環に基づく『企業倒産のリズムの破たん』を招いている。債務者メリットを最大化した債務整理が、取引先や従業員や地域経済に悪影響を及ぼすのは本末転倒だ。こうした施策がどのような経済合理性をもたらすか、ポストコロナの出口戦略では丁寧な議論と説明が求められる」と分析している。

© にいがた経済新聞