菅義偉首相(衆院神奈川2区)は3日午後、自身の自民党総裁任期満了に伴う総裁選(17日告示、29日投開票)への出馬を見送る意向を表明した。官邸で記者団の取材に応じ「新型コロナウイルス感染拡大の防止のために専念したい」と述べた。
午後1時過ぎ、首相は緊張した表情でマイクの前に立ち、同日午前の党臨時役員会で総裁選への不出馬を表明したことに触れ「(総裁選に)出馬を予定する中でコロナ対策と選挙活動には莫大なエネルギーが必要だった」と説明した。
その上で「両立はできない。国民に約束しているコロナ感染拡大を防止するために専念したいと判断した。国民の命と暮らしを守る総理としての責務に専念してやりとげたい」と強調した。来週に記者会見を開く考えも示した。
首相は記者団の質問に応じず、会見を2分足らずで切り上げた。記者から「丁寧な説明を」「説明責任を放棄するのか」といった声が飛ぶ中、首相は秘書官らに囲まれてエレベーターに乗り込んだ。