乃木坂46×古典美術 画期的試みのきっかけは秋元康氏

幻想的な空間の中でたたずむ齋藤飛鳥(ⓒ乃木坂46LLC)

アイドルと古典美術の日本初となる試みに注目が集まっている。

「春夏秋冬/フォーシーズンズ 乃木坂46」展が4日から11月28日まで、東京国立博物館・表慶館で開催される。

同展は、狩野長信による「花下遊楽図屏風」をはじめ、四季の花が表現された7点の日本の古典美術と乃木坂46を重ね合わせて紹介する実験的な展覧会。乃木坂46が日々パフォーマンスしている歌詞、世界観を補助線として用いることで、若者に敬遠されがちな日本美術と現在のポップアイコンが自然と地続きの存在であることを証明する試みだ。

7人の映像作家が参加し、最先端ディスプレーや映像技術を駆使。美術作品の本質と、メンバーの齋藤飛鳥、生田絵梨花、星野みなみ、山下美月、賀喜遥香らがパフォーマンスする撮り下ろしの映像作品を融合させることで、独自の世界観を創り出している。

東京国立博物館の松嶋雅人学芸研究部調査研究課長が、乃木坂46のプロデューサーを務める秋元康氏に相談したことで、同展は実現。松嶋氏は「日本美術は身近で、私たちの日常の中にあることを広めたかった。アイドルと古典美術を融合させた展覧会は絶対にない。日本初です」と語る。

「乃木坂46さんに〝窓〟になってもらって、古典美術に触れる機会の少ない若い方に東京国立博物館も含めて触れてもらえたら。メンバーのパフォーマンスと一緒に体感してもらえたら、きっと日本美術の延長に乃木坂46があることも感じてもらえるはず。ほかの美術館も楽しめるようになると思います」(松嶋氏)

乃木坂46メンバーにとっても、古典美術との歴史的なつながりを感じられる有意義な体験となるという松嶋氏。

歴史ある美術館で始まる日本美術とトップアイドルの〝共鳴〟は、どんな化学反応を起こすか。

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