岩佐歩夢が今季2度目の表彰台となる3位入賞。優勝はルクレール弟【FIA-F3第6戦オランダ レース1】

 9月4日(土)、2021年FIA-F3第6戦オランダのレース1がザントフォールト・サーキットで開催され、フェラーリのシャルル・ルクレールの実弟、アーサー・ルクレール(プレマ・レーシング)が優勝し今季2勝目。岩佐歩夢(ハイテックGP)は3位表彰台を獲得している。

 レース1のスターティンググリッドは予選トップ12がリバースグリッドとなり、ポールポジションはアムーリ・コルデール(カンポス・レーシング)。2番手にローガン・サージェント(チャロウズ・レーシング・システム)、3番手はルクレール、4番手に岩佐がつける。

 天候は晴れ。気温15.3度、路面温度は20.1度のドライコンディションで規定周回数は24周、タイヤ交換義務はなし。日本時間17時35分にフォーメーションラップが開始された。

 最高のスタートを切ったのが3番手スタートのルクレール。抜群の蹴り出しで岩佐を交わし、そのままアウト側のラインを取ってターン1を進み一気にトップへ浮上。岩佐もルクレールの後ろに続きアウトから1台を抜いて3番手に浮上した。

 一方のコルデールはアレクサンダー・スモリヤー(ARTグランプリ)に後方から接触されスピン。ポールスタートのマシンが早々に脱落する波乱の1周目となった。

 7周目、ルクレールを追うサージェントがターン1進入で仕掛ける仕草を見せる。するとルクレールはタイヤスモークを大きく上げるほどのハードブレーキングで応戦し順位を死守。岩佐は後方から虎視淡々とチャンスを狙っていく。

 コース幅が狭くコーナーが連続するコース特性のためか、10周目の時点でトップのルクレールから10番手を走行するフレデリック・ベスティ(ARTグランプリ)まで各車のタイム差がそれぞれ1秒以内という接近したレースが展開される。

 16周目、ジョナサン・ホガード(イェンツァー・モータースポーツ)とハンター・イエニ(チャロウズ・レーシング・システム)がターン1で接触。ホガードはターン1先アウト側のグラベルに、リヤタイヤにダメージを負ったイエニはその先のグラベルでマシンを停止。このアクシデントによりセーフティカー(SC)が導入された。

 バリアの修復とコース上に散乱した砂利の排除に時間を要し、レースは残り4周となる21周目からルクレール、サージェント、岩佐の順でリスタートする。

 勝負を仕掛けたのは岩佐。ターン1でサージェントのイン側に飛び込み、そこからサイドバイサイドで2台は走行する。その後ターン3でサージェントがインを閉めて岩佐が軽くブレーキロックし、このタイミングで順位を上げられず、後方から迫るチームメイトのジャック・クロフォード(ハイテックGP)から並びかけられる。

 岩佐は順位を死守しリスタートの1周を完了。後方ではポイントランキング首位で12番手スタートのデニス・ハウガー(プレマ・レーシング)がSC導入前から着実にライバルを交わし、リスタート後にも順位をひとつ上げて7番手となった。

 早いテンポで進んだレースはついにファイナルラップへ突入。ルクレールは辛くも逃げ切り今季2勝目。2位にサージェント、岩佐は今季2度目の表彰台となる3位を獲得している。

「すごくタフでした。スタートから少しオーバーステアでトラクションをロスしていました。ただスピードは悪くなかったと思います。またタイヤマネジメントがよくなかったので、今後の課題です」とレース後のインタビューで岩佐はコメントした。

 スプリントレース(決勝レース2)は日本時間9月5日(日)0時55分から行われる。

■FIA-F3第6戦オランダ レース1 暫定リザルト

Pos. No. Driver Team Time/Gap

1 2 A.ルクレール プレマ・レーシング 24Laps

2 29 L.サージェント チャロウズ・レーシング・システム 0.945

3 11 岩佐歩夢 ハイテックGP 1.555

4 10 J.クロフォード ハイテックGP 2.479

5 18 C.コレ MPモータースポーツ 2.789

6 4 J.ドゥーハン トライデント 3.035

7 1 D.ハウガー プレマ・レーシング 3.807

8 17 V.マルタンス MPモータースポーツ 4.324

9 7 F.ベスティ ARTグランプリ 7.094

10 3 O.コルドウェル プレマ・レーシング 7.370

11 5 C.ノバラック トライデント 8.193

12 23 I.コーエン カーリン 8.670

13 21 L.コロンボ カンポス・レーシング 9.172

14 6 D.シューマッハー トライデント 9.715

15 28 F.ウグラン イェンツァー・モータースポーツ 10.408

16 26 C.ウィリアムズ イェンツァー・モータースポーツ 10.566

17 14 M.ナニーニ HWAレースラボ 11.331

18 15 O.ラスムッセン HWAレースラボ 12.948

19 25 J.エドガー カーリン 13.031

20 24 K.フレデリック カーリン 13.373

21 19 T.バン・デル・ヘルム MPモータースポーツ 14.001

22 16 R.ヴィラゴメス HWAレースラボ 14.527

23 22 A.コルデール カンポス・レーシング 15.403

24 8 A.スモリヤー ARTグランプリ 15.633

25 20 L.トーチ カンポス・レーシング 17.072

26 31 Z.コバネク チャロウズ・レーシング・システム 18.820

27 12 R.スタネ ハイテックGP 18.993

28 9 J.コレア ARTグランプリ 58.066

— 30 H.イエニ チャロウズ・レーシング・システム DNF

— 27 J.ホガード イェンツァー・モータースポーツ DNF

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