トヨタ アクアより日産 ノートが割高なのは“プロパイロット”のせい! 原因は“カーナビ”にあった

コンパクトハイブリッドカーの「トヨタ アクア」と「日産 ノート」は、共に200万円台前半から中盤の価格帯に位置するライバル同士だ。しかしこの2台、装備面で同等にそろえて比較してみると、20万円以上の価格差がついてしまう。その原因は、プロパイロットとセットで付けざるを得ない高価なナビゲーションシステムにあった。

(上)トヨタ 新型アクア/(下)日産 ノート e-POWER

トヨタ 新型アクアと日産 新型ノートは、200万円から250万円台の価格帯に位置するガチのライバルだ

トヨタ 新型アクア

2021年7月19日、トヨタのコンパクトカー「アクア」がフルモデルチェンジを実施した。ハイブリッドの専用車で価格は198万円から259万8000円(消費税込、以下同)だ。

新型アクアのライバルは、こちらも2020年12月23日にフルモデルチェンジしたばかりの「日産 ノート」だ。

やはりハイブリッド(e-POWER)専用モデルとなっており、価格は205万4800円から244万5300円まで(カスタムモデルを除く)。アクアに比べると控えめな価格設定となっている。

全車速追従型クルーズコントロールはアクアのみ標準装備

トヨタ 新型アクアと日産 新型ノートは、共に最新モデルだけあって、低燃費性能を誇る最新のハイブリッドシステムや、先進安全装備などどちらも最先端をゆく充実した内容となっている。

ただしアクアになってノートにはオプション装備というものがひとつある。それが、全車速追従型クルーズコントロールだ。

先行車との車間距離を自動制御出来るもので、いわば半自動運転とでもいうべき先進運転支援機能である。自動車専用道路で使用するものだが、渋滞路でも機能するため非常に便利で、一度使ってしまったら手放せないと感じるほどである。ノートを購入する場合でもマストアイテムと言える。

日産 新型ノートの先行車追従機能「プロパイロット」は高価なナビとのセットで+40万円のオプションだ

日産 新型ノートにオプション設定される全車追従型クルーズコントロールは、ハンドルの操舵支援機能とセットになった「プロパイロット」と呼ばれるものだから、ロングドライブの疲労軽減にも役立つ優秀なものだ。

さらにノートのプロパイロットには最新のナビ連動機能も加わった。カーナビゲーションシステムに行き先設定をしている場合、分岐路などに進入した際、カーブの手前で速度規制に合わせ自動で減速までしてくれる優れものである。

このように充実した高機能なのだが、その分かなり高価なオプションとなる。メーカー純正のカーナビゲーションシステムなどとセットのメーカーオプションとなり、約40万円が加算されてしまうのだ。

しかもこの機能はノートの最上級グレード「X」(218万6800円/FF)のみにオプション設定される。それだけであっという間に260万円近く挙がってしまうのだ。

アクアの標準装備に揃えるとノートは一気に40万円以上へ

トヨタ 新型アクア,日産 新型ノート
トヨタ 新型アクア,日産 新型ノート

他にも、新型アクアの最上級グレード「Z」(240万円/FF)には標準装備されるLEDヘッドランプも、新型ノートではオプションだったりと、実際に装備面を揃えて比較しようとすると、少なくない価格差が生じてしまうののだ。

ノートの場合、高級版モデル「ノート オーラ」が用意されており、こちらとの兼ね合いもあるのだろうが、新型アクアと比較してしまうとここは大きな弱点となる。一見すると安かった新型ノートの価格帯だが、この点は注意する必要がある。

トヨタ アクアの内装,日産 ノートの内装
トヨタ アクアの内装,日産 ノートの内装

もちろん新型アクアもセットオプションの設定は多く、好みの機能をどんどん載せていくと気付けば300万円…となってしまうケースもある。

いずれにせよ新型アクアと新型ノートを比較検討する場合には、諸費用、そして特にメーカーや販売店毎に差異が出る値引きや下取り額といった、トータルの見積もりをチェックしながら賢く購入したいところだ。

[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影:小林 岳夫・茂呂 幸正・TOYOTA・NISSAN]

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