新日本プロレス4日の埼玉・メットライフドーム大会で行われた「KOPW争奪戦」は、挑戦者の矢野通(43)がチェーズ・オーエンズを破り同タイトルを奪回した。
同戦のルールは、反則裁定なしで決着はマイクを使用して相手に「ギブアップ」と言わせた場合のみとする「ノーDQ・アイ・クイット・マッチ」が採用された。オーエンズから「GBH時代の姿」での対戦を要求され、前哨戦でも劣勢が続いていた矢野は、金髪にヒゲ、さらに番傘を持参して入場。「金色夜叉」と呼ばれ悪の限りを尽くしたかつての姿で入場した。
反則がないだけに試合はゴミ箱、テキサスストラップ、竹刀にラダーにテーブルなどあらゆる凶器が入り乱れた大乱戦となった。場外に設置されたテーブル上へのパッケージドライバーを浴びた矢野は、場外鉄柵の手錠に両手をつながれテキサスストラップで殴打される。
それでも意地で「アイ・クイット」の言葉だけは発しない。オーエンズがバットを取りに行っているスキに、用意してあった鍵を使用して手錠を外すことに成功。逆にオーエンズの両手を手錠でつないで自由を奪う。さらにリングに戻してテキサスストラップで痛めつけると、テーブル上への鬼殺しを発射。そして手錠をロープにつなぎ直すと、ハサミまで持ち出す。
オーエンズは唾を吐いて遠ざけようとするも、これで矢野が激高。ハサミをオーエンズの目元に突き刺そうとする狂気で、ついにオーエンズに「アイ・クイット」を言わせてみせた。
試合後の矢野は「チェーズ・オーエンズ、そのぐらいの肝っ玉で俺様にケンカ売ろうなんてな、100万年、いや、100億年早いんだバカヤロー! ふざけんな! KOPW、舐めてたらなオイ、てめぇ痛い目見るぞコノヤロー!」と豪語。眠れる獅子が目を覚まし、KOPW保持者の証しであるトロフィーを取り戻した。