阪神・及川 復活2Kの好リリーフ「何としても0点で抑えるという強い気持ちで投げました」

流れを引き戻す好投を見せた阪神・及川

阪神・及川雅貴投手(20)が4日の巨人戦(甲子園)の7回に救援登板。0回2/3を無安打2四球2三振の内容で無失点に抑える好リリーフを披露した。

先発・ガンケルの後を受け、2―3と1点を追う7回一死一塁の場面からの登板。若林を四球で歩かせて一、二塁としたが、続く丸を空振り三振。坂本を申告敬遠で歩かせた後、吉川尚も空振り三振に切って取り窮地を脱出した。

コーナーを鋭く突く140キロ台後半の快速球と、切れのあるツーシームとスライダーのコンビネーションに1万8024人の観衆も息をのんだ。最後の打者・吉川尚を打ち取ると、20歳左腕はマウンド上でグラブを叩き何かを叫ぶ。珍しくマウンド上で感情を爆発させた。

直近3試合全てで救援に失敗し、1点台をキープしていた及川の防御率は3点台後半にまで悪化していた。失地回復に燃える左腕は「今日は何としても0点で抑えるという強い気持ちで投げました。四球は出してしまいましたが0点で抑えることができてよかったです」と登板後に心境を吐露。勇気と覚悟を胸に、強力G打線をねじ伏せた。

成長過程の選手ながら、その存在感は日に日に増している。チームは9回に大山の劇的なサヨナラ2ランで勝利。伝統の一戦の名に恥じぬ首位攻防の熱戦を陰ながら演出したのは、きゃしゃであどけなさの残る20歳の左腕だった。

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