【追う!マイ・カナガワ】首相の退陣表明、どう思う(中)「辞任やむなし」半数超 その理由は?

人影まばらな関内地区。多くの店がシャッターを下ろしている=横浜市中区

 度重なる緊急事態宣言の発令や、コロナ禍での東京五輪開催で感染拡大を招くなど、「後手」の批判で支持率低下に苦しんだ菅義偉首相(衆院神奈川2区)。「追う! マイ・カナガワ」取材班のアンケートでは、首相への厳しい意見が目立った。

◆力の弱さ
 回答者464人のうち、半数以上が「辞任はやむを得ない」としたが、その理由として横浜市鶴見区の主婦(49)は「会見のコメントは方針の具体性が無く、総理を続けていくには力の弱さを感じていた」という。

 お膝元の横浜市長選での大敗を退陣の要因と指摘する声は多く、「市長選のこともあったと思う。自分自身の力不足を感じたのであればしょうがない」(同市泉区の47歳主婦)、「自民党内の求心力が低下し、総裁選で勝ち目が無くなったから」(平塚市の63歳無職男性)などと諦めの声が聞かれた。

 「辞任すべき」の回答には、コロナ禍での首相のリーダーシップを「不十分」とした回答も目立った。横浜市港北区の40代の県庁職員男性は「首相として、国民に説明する力が無さすぎる。有事の時こそ、リーダーの言葉が大切なのに、言葉に力が無いし、自分の言葉ではない」と指摘。「続けるべき」とした中には、「世間の評価が低くても、地元横浜選出で応援していたのに、辞任は残念」(同市泉区の66歳無職男性)との声もあった。

◆感染拡大

 1年に及ぶコロナ対策では医療関係者らから厳しい指摘が相次ぎ、「飲食店に制限をかけている期間に、感染者数を減少しなければならなかったのに、行動制限も行わず、感染は拡大するばかり」(同市泉区の医療従事者40代女性)、「医療、福祉、輸送などの最前線で従事する人は使えないGo To トラベルは必要だったのか?」(同市の福祉系職50代女性)とする意見もあった。

 次期政権に望むこととしても、「コロナ対策を最優先にするべき」(相模原市南区の47歳小売業男性)、「しっかりしたデータに基づくコロナ対策。命優先の政治を望む」(横浜市青葉区の48歳会社員女性)、「コロナ対策の不手際については自民党全ての責任。自宅療養者をなくし、誰もが治療を受けられるようにしてほしい」(相模原市の非常勤教職員50代女性)などとコロナ対策が並んだ。

 ◆アンケートは、菅首相の退陣表明を受け、LINE登録したマイカナ友だちを対象に3日午後に実施した。無作為抽出の世論調査とは異なる。

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