【東京パラリンピック】女子マラソン・道下美里 チームでつかんだリベンジ金メダル「最高の伴走者と最強の仲間」に感謝

リベンジを果たし金メダルに輝いた道下美里(ロイター)

チームでつかんだ頂だ。東京パラリンピック・陸上競技(5日、国立競技場発着)、女子マラソン(T12)が行われ、道下美里(44=三井住友海上火災保険)が金メダルを獲得。2016年リオ大会銀メダルのリベンジを果たし「すごくうれしい」と笑顔を見せた。

小学4年で膠様滴状角膜ジストロフィーを発症し、右目の視力が低下。20代半ばには左目の視力もほとんど失った。「生きていく意味なんてあるのかな」と失望したこともあったが、周囲のサポートもあり、08年にマラソンをスタート。結婚を機に、09年から福岡に転居すると、大濠公園で練習をするようになった。

大濠公園で多くのランナーと走る中で、仲間らが14年にクラウドファンディングで「チーム道下」を結成。交代で道下の伴走を務めてきた。緊急事態宣言中は、メンバーが人の少ないところまで車を走らせ、道下が競技に集中できる環境を整えた。かつて道下は「できないことをできないって片づけないで、どうやったらできるかを実行に移してくれる」と感謝の言葉を口にしていた。

まさに「チーム道下」の力で勝ち取った金メダル。「今大会に向けて最高の伴走者と最強の仲間がいたのでここにたどり着いたと思う」。道下の表情は充実感であふれていた。

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