SBK第8戦フランス:ラズガットリオグルが2勝を上げ、チャンピオンシップでトップ。レイに7ポイント差つける

 スーパーバイク世界選手権(SBK)第8戦フランスラウンドがマニクール・サーキットで行われ、レース1とレース2はトプラク・ラズガットリオグル(パタ・ヤマハwith BRIXXワールドSBK)、スーパーポール・レースではジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)が優勝した。この結果、チャンピオンシップではラズガットリオグルが単独ランキングトップに浮上。ランキング2番手のレイに7ポイント差をつけている。
 
 野左根航汰(GRTヤマハ・ワールドSBKチーム)は、レース2で14位フィニッシュ。ポイントを獲得した。
 

■レース1:ラズガットリオグルが独走優勝

 予選であるスーパーポールでポールポジションを獲得したのはレイ。2番グリッドにはラズガットリオグル、3番グリッドにはトム・サイクス(BMWモトラッド・ワールドSBKチーム)が並んだ。野左根は6列目17番グリッドからレース1を迎えた。

 土曜日に行われたレース1は、気温26度、路面温度40度のドライコンディション。好スタートを切ったのは2番グリッドスタートのラズガットリオグルで、1番手で1コーナーに飛び込む。2番手にはレイ、3番手にはロウズが続いていたが、ヘアピンの5コーナーでレイがラズガットリオグルをパスした。さらにロウズがラズガットリオグルと接触し、二人は後退。
 
 トップにはレイが浮上し、ラズガットリオグルはすぐさま2番手にポジションを上げたものの、レイの先行を許す形となった。また、ロウズも2周目にはマイケル・ルーベン・リナルディ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)を交わして再び3番手に浮上する。
 
 2番手のラズガットリオグルはレイを追い、2周目でその差を詰めていく。4周目の5コーナーで、激しいブレーキングによってレイのインにつけたラズガットリオグルはコーナーの立ち上がりでレイの前に出ると、トップを奪い返した。
 
 トップに立ったラズガットリオグルと2番手のレイとの差は0.5秒ほどで、均衡を保っている状況。ただ、ラズガットリオグルは7周目にファステストラップのレコードを更新するタイムを叩き出しながら、トップをキープする。さらに10周目を過ぎると、次第にラズガットリオグルとレイとの差が開いていった。2番手のレイの後方にはチームメイトのロウズが3番手を走行。こちらもレイをとらえるほど僅差ではなく、トップ3はそれぞれ単独走行になりつつあった。
 
 ロウズの後方では、リナルディとアンドレア・ロカテッリ(パタ・ヤマハwith BRIXXワールドSBK)による接戦の4番手争いが展開。12周目の5コーナーでロカテッリがリナルディを交わした。さらに残り5周、単独で3番手を走行中だったロウズが8コーナーで転倒。3番手にロカテッリが、4番手にリナルディが浮上した。
 
 トップを走るラズガットリオグルは、中盤以降、独走態勢を築いて優勝を飾った。2位はレイ、3位はロカテッリで、表彰台を獲得している。4位はリナルディ、5位はマイケル・ファン・デル・マーク(BMWモトラッド・ワールドSBKチーム)、6位はアルバロ・バウティスタ(チームHRC)だった。野左根は17位でレースを終えている。

■レース2:ラズガットリオグル2勝目で単独ランキングトップへ

 日曜日に行われたスーパーポール・レースでは、ラズガットリオグルとレイがトップ争いを展開。ラズガットリオグルがトップ、2番手でレイがチェッカーを受けた。しかし、レース2終了後、最終ラップの10コーナーでラズガットリオグルがトラックリミット違反を喫したとして、ラズガットリオグルは1ポジション降格となった。スーパーポール・レースの最終結果として、優勝はレイ、2位はラズガットリオグルとなっている。3位はロウズ。野左根は16位だった。
 
 上述のとおり、スーパーポール・レースのラズガットリオグルにペナルティが科されたのはレース2の終了後だったため、レース2はスーパーポール・レースでチェッカーを受けたとおり、1番手にラズガットリオグル、2番手にレイ、3番手にロウズが並んだ。
 
 気温28度、路面温度42度のドライコンディションで始まったレース2。ホールショットを奪ったのはラズガットリオグルだったが、レイとロウズがラズガットリオグルをぴたりとマーク。2周目の3コーナーでレイがラズガットリオグルを交わしてトップに浮上する。一方、レイとともにラズガットリオグルを追っていたロウズは6コーナーで転倒。リタイアとなった。
 
 トップに立ったレイだが、2番手のラズガットリオグルが僅差で背後におり、さらに3番手のスコット・レディング(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)も迫っていた。4周目にはラズガットリオグルがレイを交わすも、レイがその先のコーナーでラズガットリオグルを交わす。
 
 7周目に入るころには、トップのレイ、2番手のラズガットリオグル、3番手のレディングの3人は先頭グループを形成。4番手のロカテッリに対し、3秒以上に差を広げていた。
 
 2番手のラズガットリオグルは、トップのレイとの差を縮めていく。一方、3番手のレディングは2番手のラズガットリオグルについていけず、トップ争いはレイ、ラズガットリオグルの二人に絞られた。そして10周目の5コーナーで、ラズガットリオグルがレイをオーバーテイク。レイがトップの座を奪い返すも、ラズガットリオグルは11周目に再びレイをパスする。これが決定的なオーバーテイクとなり、ラズガットリオグルがトップに立った。
 
 トップに浮上したラズガットリオグルと2番手に後退したレイとの差は0.3秒ほどを保っていたが、レース終盤には1秒以上に広がった。
 
 ラズガットリオグルはそのままトップをキープして、優勝を飾った。レイは2位で、チャンピオンシップのランキングではラズガットリオグルが370ポイントでトップ、7ポイント差で2番手にレイがつける状況となった。
 
 3位でフィニッシュしたのはレディング。中盤以降、ラズガットリオグルとレイに引き離された。4位はロカテッリ、5位はデイビス、6位にはバウティスタが入った。野左根は14位で、ポイントを獲得している。
 
 スーパースポーツ世界選手権(WSS)は、負傷欠場の川崎祥吾(G.A.P.モトズー・レーシングbyプセッティ)の代役として今大会も大久保光が招集されていたが、金曜日のフリー走行2での転倒により、レースは欠場となった。
 
 スーパースポーツ世界選手権300(WSS300)に参戦する岡谷雄太(MTMカワサキ)は、レース1で6番手走行中に転倒リタイア。レース2では最終ラップまで表彰台争いを展開し、5位フィニッシュを果たしている。

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