フォーミュラ・リージョナル第2ラウンドもてぎ。大草りきと古谷悠河が初優勝を手にする

 2021年のフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップの第2大会(第4戦〜第6戦)が9月4〜5日にツインリンクもてぎで開催され、大草りき(PONOS Racing)が第4戦、第6戦を、古谷悠河(TOM’S YOUTH)が第5戦を制し、それぞれ初優勝を手にすることとなった。

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■第4戦:スタートで出遅れも、脅威の追い上げで首位を取り戻した大草が初優勝

 9月4日午後に行われた第4戦はウエットコンディションのもとスタートを迎えた。4日午前に行われた公式予選1では、辻子依旦に代わり45号車のステアリングを握る大草りきが初のポールポジションを獲得。2番手に古谷悠河、3番手に三浦愛(ARTA F111/3)が続いた。

 スタート進行の時点で雨は止んでいたが、路面はウエットコンディション。そのため、全車がウエットタイヤを装着。そんななか、フォーメーションラップのビクトリーコーナーでTAKUMI(B-MAX ENGINEERING FRJ)がスピンを喫し、エクストラフォーメーションラップが実施されることに。

 また、このスピンの際にTAKUMIが田中優暉(ASSCLAYIndサクセスES)に追突していたとして、レーススタート後にドライブスルーペナルティが課された。

 エクストラフォーメーションラップを経て1周減算の16周でレースがスタートを迎えると、ポールスタートの大草が出遅れ、2番グリッドスタートの古谷がホールショットを奪う。大草は3番グリッドスタートの三浦愛にも先行を許し、3番手に後退してしまう。

 しかし、大草はハイペースで三浦愛とのギャップを縮めると、3周目の5コーナーでオーバーテイクを決めて2番手に浮上。残り13周の時点で大草と古谷には5秒以上のギャップが広がっていたが、大草が毎周ファステストラップを更新しながら古谷に接近。

 残り3周となった13周目の1コーナーでアウト側から古谷に並んだ大草はそのままサイド・バイ・サイドで2コーナーを通過。続く3コーナーの進入で古谷の前に出ることに成功し、大草がトップの座を取り返すことに成功する。

 その後も大草の勢いは止まず、終盤の15周目には2分00秒631のファステストラップを更新する走りをみせる。そのままトップでチェッカーを受け、大草がフォーミュラ・リージョナル初優勝を手にした。2位に古谷、3位に三浦愛が続いた。

 マスタークラスはオープニングラップでクラストップとなる総合4番手におどり出た畑享志(F111/3)が今季初優勝を獲得。2位に植田正幸(Rn-sportsF111/3)、3位に三浦勝(CMS F111)が続いた。

フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ第4戦ツインリンクもてぎ 決勝レース結果

Pos Class No Driver Car Name Gaps Grid

1

45 大草りき PONOS Racing 32’39.470 1

2

28 古谷悠河 TOM’S YOUTH 2.283 2

3

8 三浦愛 ARTA F111/3 18.868 3

4 M 7 畑享志 F111/3 36.116 5

5 M 11 植田正幸 Rn-sportsF111/3 43.440 4

6 M 34 三浦勝 CMS F111 55.862 9

7 M 39 田中優暉 ASCLAYIndサクセスES 1’03.950 6

8 M 96 TAKUMI B-MAX ENGINEERING FRJ 1’21.972 7

9 M 27 SYUJI B-MAX ENGINEERING FRJ 1’51.118 8

M 23 YUGO S2R Racing 15Laps

ファステストラップ
M 2’01.658(16/16) 142.067km No.39 田中優暉(ASCLAYIndサクセスES)
– 2’00.631(15/16) 143.277km/h No.45 大草りき(PONOS Racing)

Start Time:15:21’58
Finish Time:12:54’37

※フォーメーションラップ中のスピンのため、“EXTRA FORMATION LAP”を適用した。
FR SpR 第31条 10.3)に基づき、周回数を1周減算の「16周」とした。

ペナルティ
No.96
FR SpR 第16条1.1)衝突を起こしたもの(フォーメーション中)により、ドライビングスルーペナルティを課した。[裁定時刻 15:39]

大草りき(PONOS Racing)
大草りき(PONOS Racing)と古谷悠河(TOM’S YOUTH)
第4戦茂木でフォーミュラ・リージョナル初優勝を獲得した大草りき(PONOS Racing)

■参戦19戦目の古谷悠河が悲願の初優勝を手にする

 5日の第5戦を前に行われた公式予選2はドライコンディションとなり、古谷がポールポジションを獲得。2番手に大草、3番手に三浦愛が、4番手にはマスタークラストップの田中優暉が続いた。

 スタートでは第4戦に続き、古谷がホールショットを守る一方、大草はまたもスタートで出遅れる。しかし、3コーナーで三浦愛をパスして2番手にポジションを戻した。オープニングラップを終えて、古谷と大草のギャップはは1.2秒あったが、2周目終了時点で0.750秒、3周終了時点で0.506秒と大草が古谷を追い立てる展開に。

 しかし、3周目に田中の車両から白煙が上がり、S字コーナー脇にマシンを止めることに。この車両の回収のため、今大会初のセーフティカーが導入されることとなった。
 
 6周目終了時点から再スタートが切られると、トップ古谷と2番手大草の首位争いはより激しさを増すことに。大草はリスタート早々の7周目、90度コーナーで古谷にオーバーテイクを仕掛けるが、古谷がポジションを守り切る。

 レースは後半に差し掛かるも、古谷と大草はお互いにファステストラップを更新し合う激しい攻防戦を展開。しかし終盤にスパートをかけた古谷が大草とのギャップを1.3秒まで広げ、古谷が参戦19戦にしてフォーミュラ・リージョナル初優勝を獲得した。2位には大草、3位に三浦愛が続いた。

 マスタークラスは、スタートでクラストップにおどり出た三浦勝(CMS F111)が、ライバルとのギャップを着々と広げ総合4位に入り、初のクラス優勝を獲得した。2位に植田、3位にTAKUMIが続いた。

フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ第5戦ツインリンクもてぎ 決勝レース結果

Pos Class No Driver Car Name Gaps Grid

1

28 古谷悠河 TOM’S YOUTH 34’13.993 1

2

45 大草りき PONOS Racing 1.349 2

3

8 三浦愛 ARTA F111/3 3.636 3

4 M 34 三浦勝 CMS F111 21.503 5

5 M 11 植田正幸 Rn-sportsF111/3 26.820 6

6 M 96 TAKUMI B-MAX ENGINEERING FRJ 28.329 7

7 M 7 畑享志 F111/3 28.782 8

8 M 27 SYUJI B-MAX ENGINEERING FRJ 40.408 9

9 M 23 YUGO S2R Racing 1’36.393 10

M 39 田中優暉 ASCLAYIndサクセスES 15Laps 4

ファステストラップ
M 1’50.801(10/17) 155.988km/h No.34 三浦勝(CMS F111)
– 1’49.383(14/17) 158.010km/h No.28 古谷悠河(TOM’S YOUTH)

Start Time:12:53’37
Finish Time:13:27’50

※SC導入:4周目から2周回(T8での停止車両回収のため)

2021年フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ第5戦もてぎ スタート
古谷悠河(TOM’S YOUTH)と大草りき(PONOS Racing)
三浦愛(ARTA F111/3)
マスタークラス初優勝を手にした三浦勝(CMS F111)
第5戦もてぎのトップチェッカーを受ける古谷悠河(TOM’S YOUTH)
フォーミュラ・リージョナル初優勝を獲得した古谷悠河(TOM’S YOUTH)

■好スタートを決めた大草りきが第6戦を制し、自身2勝目をマーク

 第5戦に続いて5日午後に行われた第6戦決勝のスターティンググリッドは、公式予選2のセカンドベストタイム順となり、ポールポジションは大草が獲得。続いて2番グリッドに古谷、3番グリッドに三浦愛、4番グリッドにマスタークラス最上位の三浦勝が続いた。

 第5戦から変わらず、曇り空のもとドライコンディションで迎えた第6戦。第4戦、第5戦とスタートに失敗していた大草が好スタートを決める一方、過去2戦で好スタートを決めていた古谷が出遅れる。古谷は2番手のポジションをキープするも、大草のリードを許す結果に。

 オープニングラップ終了時点で0.6秒まで広がった大草と古谷のギャップだったが、2周目以降古谷がハードプッシュを続けて大草とのギャップを縮めにかかると、3周目終了時点で0.385秒まで縮める。しかし、大草もファステストラップを更新し、古谷の追い上げを封じる。

 2台の戦いは終盤まで続き、16周目には古谷がこのレースでのファステストラップとなる1分49秒110を記録するも、大草が0.676秒のリードを守り切り、17周目にトップチェッカーを受け、今季2勝目を手にした。2位には古谷が続き、3位は3戦連続で三浦愛が獲得している。

 マスタークラスはクラス最上位となる総合4番手からスタートした三浦勝が磐石の走りで自身2勝目を獲得、2位に田中、3位に畑が続いた。

 2021年のフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ、次戦となる第3大会(第7戦〜第9戦)は9月25〜26日に富士スピードウェイで開催される。

フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ第6戦ツインリンクもてぎ 決勝レース結果

Pos Class No Driver Car Name Gaps Grid

1

45 大草りき PONOS Racing 31’06.224 1

2

28 古谷悠河 TOM’S YOUTH 0.675 2

3

8 三浦愛 ARTA F111/3 6.510 3

4 M 34 三浦勝 CMS F111 29.114 4

5 M 39 田中優暉 ASCLAYIndサクセスES 35.303 5

6 M 7 畑享志 F111/3 35.436 7

7 M 96 TAKUMI B-MAX ENGINEERING FRJ 46.245 8

8 M 27 SYUJI B-MAX ENGINEERING FRJ 1’00.101 9

9 M 11 植田正幸 Rn-sportsF111/3 1’10.287 6

10 M 23 YUGO S2R Racing 1Lap 10

ファステストラップ
M 1’50.623(16/17) 156.239km/h No.7 畑享志(F111/3)
– 1’49.110(16/17) 158.405km/h No.28 古谷悠河(TOM’S YOUTH)

Start Time:16:28’30
Finish Time:16:59’36

自身2勝目を飾った大草りき(PONOS Racing)
2勝を手にした大草りき(PONOS Racing)はランキング4位に浮上している
古谷悠河(TOM’S YOUTH)
もてぎ大会は3戦連続3位となった三浦愛(ARTA F111/3)
マスタークラス2勝目を手にした三浦勝(CMS F111)
マスタークラス2勝目を手にした三浦勝(CMS F111)
2021年フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ第6戦もてぎ 表彰台

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