中上貴晶「トラックに残るか、マシンを乗り換えるか難しい判断だった」/MotoGP第11戦オーストリアGP決勝

 8月15日、スティリアGPからの連戦となったMotoGP第11戦オーストリアGPの決勝で、予選12番手から挑んだ中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は13位でフィニッシュした。

 Moto3、Moto2クラスの決勝まではドライコンディションで行われていたが、MotoGPの決勝レース直前に小雨が降り始め、スタートから1周目に早くも白旗が提示された。これによりスリックタイヤからレインタイヤを履いたマシン、またはその逆のマシンに乗り換えが可能となる“フラッグ・トゥ・フラッグ”となった。

 しかし、小雨が降る中でもピットインするライダーは現れず全車スリックタイヤのままレースは進行していく。レース終盤、雨が降ってきたことを知らせるレッドクロスのフラッグが振られ雨脚が強くなっていくと、マシンを乗り換えるライダーが現れた。

 26周目、ピットインしたライダーたちの影響で中上は6番手まで浮上。残り周回数が少ないことからスリックタイヤで走り続けることを選択。同様の判断を下したブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)は優勝を果たした。一方で中上はレインタイヤを装着したライダーからポジションを守りきれず13位となった。

 マシンを乗り換えたフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)は2位。ホルヘ・マルティン(プラマック・レーシング)は3位表彰台を獲得しておりレインタイヤに装着するか判断の難しいレースとなった。

 前戦スティリアGPで中上は4位争いを繰り広げ5位入賞。レッドブル・リンクでの2周連続開催となるオーストリアGPでは初表彰台、初優勝を目指したが思うような結果を残すことができなかった。次戦イギリスGPは、8月27日~29日に開催される。Moto2クラス時代に優勝しているサーキットで再び上位争いに期待したい。

■LCRホンダ・イデミツ中上貴晶(決勝:13位)
「とても難しいレースでした。ドライコンディションでしたが、残り5周で雨が降り始めました。11番手だったと思いますが、そのあとはトラックに残るか、マシンの乗り換えをするか難しい判断を迫られました。結局、トラックに残ることを決断しましたが、残り3周はフルウエットのコンディションで、スリックタイヤではとても難しい状態でした。ベストを尽くしました。13位は思っていたような結果ではありませんが、次のシルバーストーンで雪辱したいです」

2021年MotoGP第11戦オーストリアGP決勝 中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)
2021年MotoGP第11戦オーストリアGP決勝 中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)
2021年MotoGP第11戦オーストリアGP決勝 中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)

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