ロッテ首位浮上の要因は助っ人&ベテラン奮闘、若手覚醒と〝お家芸〟

ベテラン荻野らの奮闘でロッテは首位に躍り出た

シーズン終盤戦を迎える中、ロッテが好調だ。

先月13日に始まった後半戦はここまで19試合を終え11勝5敗3分。主砲・マーティンが一時帰国の影響で後半戦スタートに出遅れたにも関わらず、わずか1か月足らずでチームの貯金を「9」にまで伸ばし、5日にはオリックスを抜いてついに単独首位に躍り出た。

ロッテと言えば、昨オフに途中加入ながらチームのCS進出に貢献した澤村がレッドソックス、チェンが阪神へ移籍。戦力の大幅ダウンを強いられた。今年3月末のシーズン開幕もまさかの5連敗スタート。今夏の東京五輪でも12球団で唯一、誰一人侍ジャパンに選出されない屈辱を味わったばかり。他チームに比べ戦力も顔ぶれも地味な印象が拭いきれないが、それでもここにきて堂々の首位争いを演じている背景は何なのか。

大きな要因は活発な打線と効果的な補強だろう。昨季はシーズンを通して打線が低迷。ペナントレース終盤に至ってはコロナで主力選手の大量離脱に見舞われたりマーティンの故障離脱などもあり「貧打」が顕著だった。最終的にチーム打率はパ・リーグ最下位の2割3分5厘に終わった。

だが、今季はマーティンやレアードの助っ人勢が好調なうえ、35歳のベテラン荻野、キャプテンの中村奨も打率3割をキープする奮闘ぶり。序盤戦に結果を残せなかった安田や藤原らの若手勢も後半戦に入り息を吹き返した。おかげでチーム打率は6日現在、リーグトップ(2割5分2厘)に君臨する。

加えてここ数年ロッテの「お家芸」になりつつあるシーズン途中の「緊急補強」も大きい。今季は6月にDeNAから国吉、中日から加藤をトレードで相次いで獲得。8月末には元広島の小窪を右の代打要員として電撃加入させるなど、チームの弱点補強に余念がない。さらにはプロ5年目右腕の佐々木千も救援ながら開幕から無傷の8連勝と覚醒した。こうしたチーム全体の動きが重なった結果が首位浮上の原動力と言える。

パ・リーグは現在、首位から4チームがわずか4ゲーム差にひしめき合う混戦ぶり。まだまだ予断を許さない状況だが、果たしてロッテは好調を維持したまま1974年以来となる悲願のリーグVを勝ち取ることができるか。

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