メルセデスF1離脱のボッタス「僕の使命は明確。アブダビでの最終周まで最大限のアタックをする」選手権8連覇に意欲

 2022年シーズンよりアルファロメオ・レーシング・オーレンへ移籍することが決まったバルテリ・ボッタスは、現在所属しているメルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チームと成し遂げてきたことを誇りに思っていると語り、最終戦の最終ラップまで全力でアタックし続けると語った。

 ニコ・ロズベルグの後任として、2017年にメルセデスへ加入したボッタスは、その年の第4戦ロシアGPでF1初優勝を飾った。現在までにメルセデスで表彰台を54回獲得し、9勝を挙げている。

 毎年メルセデスと単年契約を結び、今年で5年目のシーズンを迎えたボッタスだったが、アルファロメオと2022年からの複数年契約を締結したことを発表した。メルセデスを離れることになったボッタスは、この決断を尊重したチームに感謝を述べた。

「メルセデスと過ごした時間のなかで一緒に成し遂げたすべてのことを非常に誇りに思っている。そしてそれはまだ終わっていない。8回目のコンストラクターズタイトルを獲得するという、これまでで最大のチャレンジが待っているからね」

「僕はこの機会を最大限に活用して、メルセデスとの時間を振り返ったときに、やり残したことは何も残っていないと言えるようになりたいし、チャンピオンとして一緒に過ごした時間を終わらせたいと思っている」

2020年F1第13戦エミリア・ロマーニャGPでメルセデスがタイトル7連覇を確定

「ルイス(・ハミルトン)と一緒に仕事をするのは名誉なことであり、素晴らしいスポーツの挑戦でもあった。僕らの調和の取れた関係性は、チームメイトとして勝ち獲ったコンストラクターズ選手権において一翼を担った。今年の終わりには別れの時が来るけれど、今はまだその時ではない」

「僕たちが一緒に決断したことを尊重してくれたトト(・ウォルフ)とチームに感謝したい。僕はエキサイティングで象徴的なメーカーであるアルファロメオで新しい挑戦をすることを選び、チームをグリッドの上位に導く機会を得たことを本当に嬉しく思っている。これまでと同様、僕は結果を出すために、そして時が来れば勝利のためにレースをしたい。今のところ僕の使命は明確だ。アブダビでの最終ラップまで、メルセデスのために最大限のアタックをするよ」

2021年F1第13戦オランダGP ルイス・ハミルトン&バルテリ・ボッタス(メルセデス)

 一方メルセデスのチーム代表を務めるトト・ウォルフは、この5年間においてボッタスはチームに多大な貢献をし、ハミルトンとともにチームを後押ししてきたと述べた。

「これは我々にとって簡単なプロセスでもなければ、単純な決断でもなかった。バルテリは、過去5シーズンにわたって素晴らしい仕事をし、我々の成功と成長に不可欠な貢献をしてくれた」

「彼はルイスとともに、F1におけるチームメイト間の基準となるパートナーシップを築いた。そしてそれはチャンピオンシップにおいて我々の重要な武器となり、前例のない成功を成し遂げるために我々を後押しした」

「彼は絶対にチームに残るべきだっただろう。だがこのスポーツのトップレベルの場所で彼のキャリアを続けるために、アルファロメオとのエキサイティングな挑戦を選択できたことを嬉しく思う。時が来たらチームを離れることになるが、彼は永遠にメルセデスファミリーの一員だ」

 なお、ハミルトンはすでにメルセデスと2023年末までの契約を締結している。ボッタスの後任はメルセデスの育成ドライバーであるジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)だと言われているが、今のところメルセデスからの正式な発表はされていない。

2017年F1第4戦ロシアGP F1初優勝を飾ったバルテリ・ボッタス(メルセデス)
2019年F1オーストラリアGP バルテリ・ボッタスが優勝
F1第4戦アゼルバイジャンGP以来の勝利を鈴鹿で飾ったバルテリ・ボッタス

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