ソウル地裁、日本製鉄訴えた元徴用工側に敗訴判決 判決基準揺れる韓国司法

日本統治期の強制労働被害者(元徴用工)遺族が加害企業を相手に起こしていた裁判で、遺族側が再び敗訴した。

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聯合ニュースによると、ソウル中央地裁は8日、すでに亡くなっている強制労働被害者チョンさんの子供4人が日本製鉄(旧新日本製鉄)を相手に起こした損害賠償請求訴訟において、原告敗訴の判決を下した。

チョン氏は生前、1940~1942年に岩手県の製鉄所に強制動員され、被害を受けたと陳述しており、これに基づいて遺族は過去2019年4月に2億ウォン(約1,900万円=現在レート)を請求する訴訟を起こした。

聯合ニュースは、今回の遺族側敗訴について「裁判所は、チョン氏遺族が損害賠償を請求することができる権利の期限が切れたと判断したためとみられる」と伝えた。

民法上の損害賠償請求の権利は、加害者が不法行為をした日から10年、あるいは不法行為による損害と加害者を被害者が知った日から3年が経過すると消滅する。

先立って他の強制労働被害者が日本製鉄を相手に起こしていた裁判では2018年に再上告審の末、遺族側が勝訴している。

聯合ニュースは、「同様の事件について、損害賠償請求権消滅時効の計算基準を破棄差し戻し当時とみるべきか、判決確定時にみるべきか、裁判所の判断が分かれている」と解説した。

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