画像:韓国関税庁
廃変圧器から抽出した鉄スクラップ(くず鉄)を韓国の有名鉄鋼メーカーの特殊鋼板新品に偽装し、中国に不法輸出した韓国のリサイクル業者が大量摘発された。
韓国関税庁ソウル本部税関は8日、昨年3月から今年4月まで22億ウォン(約2.1億円)相当の鉄スクラップ4千59トンを韓国の鉄鋼メーカーA社が生産する特殊鋼板として虚偽申告し、中国に輸出した疑い(関税法違反)で、これら9社を検察に送致したと発表した。
参考記事:韓国で1350万人分のヒロポン密輸を摘発 「韓国→豪州便は取締り緩い点を悪用」
ソウル税関によると、これら企業は、今年1月から中国で固形廃棄物の輸入禁止措置が全面施行されるや、中国の取引先の要求に応じて、品目を偽装して輸出した疑いを受ける。
9社のうち、A社の特殊鋼は中国の反ダンピング関税賦課の対象であったことから、中国に直接輸出する代わりにマレーシアを経由したことが分かった。
画像:偽装鉄の迂回輸出を説明した韓国関税庁報告書キャプション
実際は安価な鉄スクラップがA社の特殊鋼新品として中国に続けて搬入されるや、中国海関(税関)が調査に乗り出し、ソウル税関に被害事実を通知したことで捜査が開始されたと伝えられた。
ソウル税関の関係者は、「A社の特殊鋼はケイ素の含有率が高く、電気的特性に優れ、変圧器の鉄心として用いられる製品であり、国内(韓国)では、A社が唯一生産・販売してきた」とし、「中国の通商制裁が懸念される状況で、国内メーカーに不当な被害をもたす可能性があった不正輸出を取り締まることで、通商問題を事前に遮断することができた」と語った。
参考記事:韓国人夫婦に有罪、日本に6億円の金塊を密輸出 「韓国発搭乗者に日本の税関はゆるい点を利用」